婚活に“コロナの壁”…交際人数ゼロの42歳独身男性 リアルイベント減少で『オンラインお見合い』に活路
新型コロナの感染拡大で、人が集まる婚活パーティーなどは以前の3分の1にまで減少。パートナーを探す人にとって難しい状況となっていました。そこで、各地の結婚相談所が相次いで導入しているのが、「オンラインお見合い」です。感染を気にせず、遠距離の相手と気軽にお見合いできることから徐々に広がっています。
■おうち時間が増えて1人は寂しい…会員数が増加傾向の結婚相談所
三重県四日市市の結婚相談所。去年から続くコロナ禍で、婚活の世界にも大きな変化がありました。
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この結婚相談所では、感染拡大が始まった2020年4~6月の会員数は「自粛要請」の影響で前年の41%まで激減しました。しかし、2021年4~6月は、コロナ前の2019年4~6月に対して112%とその数は現在も増え続けているといいます。
結婚相談所の担当者:
「おうち時間が増えたことで、やっぱり1人は寂しいとか、そんな不安から『結婚もありかな』という気持ちで、皆さんご入会頂いております」
■母親が亡くなれば1人に…5年前から婚活に励む母親と2人暮らしの男性
物流工場で働く香山智昭さん(42)は、三重県津市の実家で母親と2人で暮らしています。香山さんが5年前に婚活を始めたきっかけは、ある週刊誌の記事でした。
香山さん:
「よくある週刊誌で『30何歳を超えてこの特徴に当てはまる人は一生独身です』みたいな…。たまたまパッと見た時に、自分が何もしなかったら60歳になり70歳になり…」
香山さんは、「母親も亡くなれば本当に1人になってしまう」と不安になったといいます。香山さんは今、仕事帰りに格闘技ジムで身体を鍛えています。
香山さん:
「腹筋割れてるくらいの体に、真面目に結果を追いたいと思います」
婚活を成功させるには、努力を惜しみません。香山さんの好きなタイプは、声優で歌手の水樹奈々さんです。ちなみに、香山さんが今までお付き合いした女性の数は…。
香山さん:
「ゼロですね、交際したかどうか怪しいようなレベルの話が、過去に1人いたぐらい」
■婚活パーティーなどリアルイベントは減少…増える「オンラインお見合い」
コロナ禍に入っても婚活を続ける香山さんには、ある悩みがありました。
香山さん:
「(コロナ禍で)実際に会えないので、どうしても気持ちが冷めてしまう…。『そろそろお会いしてみませんか』って言った時に『この時期に誘ってくるなんて信じられない』ってブロックされた人は1人いました…」
婚活に立ちはだかる「コロナの壁」。この壁を乗り越えるために、香山さんはパソコンを購入しました。
香山さん:
「Zoomはスマホでもできるけど、パソコンの方が画面大きいですし、やりやすい。オンラインなので、多少離れた人にも申し込みがしやすくなった。今まではほとんど三重県の人(だった)」
「みえ出会いサポートセンター」によると、コロナ禍で対面式のお見合いパーティーは、以前の3分の1に減少。そこで、各地の結婚相談所が相次いで導入しているのが、「オンラインお見合い」です。
感染を気にせず遠距離の相手とも気軽にできることから、今では3割近くの男女がオンラインでのお見合いを選んでいます。
結婚相談所の代表:
「マスクをしないで、遠距離の方とも気軽に自宅でお見合いができるということで人気に」
■「お見合い」の秘訣は“女性に気持ちよく話をさせる”こと…疑似お見合いで練習を続ける
近々、オンラインお見合いが決まっている香山さんは、結婚相談所の女性スタッフを相手に「疑似お見合い」。女性と2人きりの状況を再現し、アドバイスを受けます。
香山さん:
「お仕事はモデルさんか何かですか?」
結婚相談所の女性スタッフ:
「そんな、とんでもないです」
香山さん:
「・・・」
香山さん:
「カフェが好きっておっしゃっていたんで…。私もそうなんですよ」
女性スタッフ:
「カフェ巡りみたいなのされます?」
香山さん:
「行きますね。誰かと一緒に行くのが本当は好きなんですけど、いないんで1人で…。ああいうところ、働いているアルバイトとオーナーがまたカッコいいんですよ、いかにもみたいな感じの…」
1人で話し続ける香山さん。会話は一向に盛り上がらないまま疑似お見合いは終了。相手役の女性スタッフの感想は…。
結婚相談所の女性スタッフ:
「楽しくないと言ったら変ですけど、お話していて楽しいからまた会いたいって気持ちになるじゃないですか。そこがやっぱり少なかったかな…」
結婚相談所の男性スタッフ:
「会話は相手との共同作業。どちらかといえば女性は話したい方が多いので、相手に気持ちよく話をさせてあげることを少し勉強して頂くと、成婚に向かっていくのかな」
自分の話が中心になってしまっていた香山さん。1つの話題を膨らませ、女性側に話をさせることが大事なのかもしれません。
香山さん:
「(アドバイスは)的を射ていたと思います。どうすれば相手の人を楽しませられるか、ちゃんと考えたいです」
■リアルに会えないならオンラインで…気軽に遠距離の相手と話せる「オンラインお見合い」に活路
オンラインお見合い当日。相手は大阪府在住の37歳の女性。遠距離の相手と気軽にお見合いができるのがオンラインお見合いの最大のメリットです。少し緊張しながら、香山さんのお見合いがスタートします。
香山さん:
「動物は好きですか?」
女性:
「昔は怖かったんですけど、動物園とかで見て可愛いなと思うようになりました」
アドバイス通り、女性に質問を投げかけて相手が興味を示す話題を探ります。
香山さん:
「これやっている時はすごく楽しい、没頭できるみたいなのって?」
女性:
「1シーズン前に私もキックボクシングしていて、蹴る瞬間がめちゃくちゃ楽しいですよね」
格闘技という共通の話題が見つかり、女性から笑顔が。今までになく会話が弾む香山さん、念願の交際も夢ではありません。引き続き、今度はスイーツの話題で盛り上がる2人ですが…。
香山さん:
「あれ?マジか、いきなり切れたぞ」
突然、回線が途切れてしまいました。
香山さん:
「あれ、何で?いつもだったら、あと何分で終了ですって出てくるんだけど」
もともと40分間の予定のオンラインお見合い。通常表示されるはずの残り時間のカウントダウンがなぜか表示されず、そのまま終了してしまいました。
香山さん:
「LINE(でのやり取り)でもいいですし、次は対面の方がっていうのであれば大阪まで出向いても…」
手応えを感じていた香山さんでしたが、女性からはその後、「お断り」の連絡がありました。リアルに会えないコロナの時代でも、オンラインなら…。香山さんの「婚活」は続きます。