休業等続き営業再開してもバイト店員戻らず…飲食業界を襲う『コロナの後遺症』名古屋の繁華街・錦三のイマ
新型コロナが落ち着きを見せ、名古屋市中区栄の繁華街「錦三」には、忘年会シーズンとあって人が戻ってきました。一方、明るい街の裏には、新たな問題に直面する人々もいます。名古屋最大の繁華街の年の瀬に密着しました。
■「手品で地方に元気を与えたい」…マジックをしながら日本一周するマジシャンの男性
午後7時の名古屋・栄の繁華街「錦三」。日が暮れると、仕事終わりのサラリーマンの姿が目立ちます。中でも賑わうのが、飲食店が並ぶ「のれん街」。店には、女子大学生4人組が…。
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女子大学生:
「冬休み入って『うぇい~』って感じ。一杯行こうかな、みたいな」
別の女子大学生:
「(今年の出来事は)彼氏ができたことです」
また別の女子大学生:
「飲み歩きたいね、マスクも外して」
ポツンと一人飲みする男性は、静岡から出張で来たといいます。2021年はどんな一年だったのでしょうか。
会社員の男性(42):
「いいことは、娘が小学校に入って。昔だったら卒園式とか入学式とか行けたんですけど、今この状況だから行けなかったんで辛かったです」
店内にトランプを持つ人がいました。マジシャンの佐藤基さん(25)です。
コロナで失業した佐藤さんは、今年6月から徒歩で日本一周しながらマジックを披露しています。
1日およそ10キロ~30キロずつ進み、172日目のこの日、名古屋に到着しました。
マジシャンの佐藤さん:
「僕の屋台、全部手作り。(中で)寝袋を敷いて寝ています。暗いニュースが多いですけど、僕のマジックをきっかけに、感動とか地方に元気を与えられたらいいなと思います」
■「人生100年、もう一回世の中の役に立ちたい」…20年来の友人と忘年会をする会社員の男性
午後8時。満席の店内には、20年来の友人という男性2人。
会社員の男性(62):
「コロナでめちゃくちゃ。海外関係やっているんですけど、行けないから。オンラインとかミーティングやっても全然実感がわかない」
別の会社員の男性(62):
「奥さんとこんなに朝・昼・晩、飯食ったの生まれて初めて。だんだん機嫌悪くなってくるし…」
会社員の男性:
「(奥さんが)在宅ワークやっていてもしゃべりかけてくる…」
別の会社員の男性:
「人生80年とか100年。40、50花ならつぼみ、60、70働きざかりだから…。もう一回ね、なんか世の中の役に立つことをやりたいな」
職場の食事会を開いていたグループ。会社の上司と部下だそうですが、実は…。
会社役員の男性(47):
「(目の前の女性は)妻なんです。恥ずかしい話ですけど、僕が47で彼女が23…」
47歳と23歳の歳の差婚。職場でお互いに一目惚れし、3年前に結婚したといいます。夫婦円満の秘訣を聞くと…。
同・男性:
「やっぱり、奥さんの言うことをよく聞くに限ると思います」
会社役員の男性の妻(23):
「仲良く、また一年暮らしていきます」
■「せっかく再開できたのに人手不足」…バイト店員戻らず飲食業界を襲う「コロナの後遺症」
焼き鳥「鳥勢」の女将、伊藤綾野さん(45)は、2度の休業などで売上が1割にまで落ち込む中、時短で営業を続けてきました。
伊藤さん:
「守ることに必死で。創業以来初めての休業、アルコール提供なし、もう本当にどうしたらいいのかと…。でも、やっと緊急事態宣言が明けて、お客様が戻ってきてくれて本当に嬉しいです」
10月の宣言解除後、およそ8割まで回復しましたが、今度は新たな問題が…。
伊藤さん:
「せっかくオープンできたのにね。人手不足に直面しております。私の店も周りの飲食店も、通常営業できているのに、人手がいないという…」
相次ぐ休業や時短営業で、パートやアルバイト店員が戻らず…。飲食業界を襲う「コロナの後遺症」です。
■「嫌なこと忘れて新しいスタートしたい」…経営していた店を閉じ新店をオープンさせた女性
午後9時。夜の街は、忘年会を楽しむ人たちで賑わいます。街は明るいですが、閉店に追い込まれた店も。コロナ禍のストレス発散で人気の“家電や食器などの破壊店”は、第5波の影響で年内をもって閉店しました。
しかし、オーナーの女性は、12月に早くも新店をオープン。大道芸人や占い師らのショーを楽しめるバーで、客足も上々です。
バーのオーナーの女性(30代):
「めちゃめちゃ大変でした。『Beat it』(破壊店)はコロナの関係もあって、波がすごい激しかったので…。忘年会で、皆さん嫌なこと忘れてニュースタートみたいになるので、一緒に新しいスタートができたら」
午後10時。自粛生活で、新しい楽しみを見つけたという女性に会いました。
主婦(50代):
「韓ドラにはまった一年。イ・ミンホさんの大ファンで…。これはイ・ミンホさんのドラマに出てくるぬいぐるみで、こういうのを持ち寄ってみんなでオフ会するのがよかった」
自営業の男性は、経営する旅行会社とカフェにコロナが直撃したといいます。
自営業の男性(50):
「ゴルフツアーだけは毎月盛況で、生き延びております。カフェもやっているので、お客さんが来ない2大業種なんですけど、笑顔で乗り切るしかない。笑顔とやる気で」
師走の繁華街「錦三」には、コロナ禍を乗り越え再スタートする人たちの姿がありました。