半導体不足が新車の生産に影響していますが、その余波で手頃な値段で購入できる中古車市場も高騰しています。

 愛知県東海市の中古車オークション会場「USS名古屋」。

 毎週およそ1万台の中古車がこの会場で取引されますが、今、その価格が高騰しています。

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 背景にあるのが、新型コロナウイルスの影響による世界的な半導体不足です。

 トヨタ自動車やホンダが1月に相次いで減産を発表するなど、新車の生産に影響している中、中古車業界にもその余波を受けています。

USSの常務取締役:
「新車の供給が遅れて納車が遅れて、その分、即納できる中古車の方に(消費者が)シフトされている。在庫不足といいますか、その形が顕著にあらわれてきている。2019年から比べると、高額車はもちろんのこと、低額車も金額的には高騰しておりますので」

 USSによると、2021年夏ごろから取引台数が減ってきたことに伴い、その価格は上昇傾向に。12月の平均落札価格は1台あたり93万2000円、2020年の同じ月と比べるとおよそ30%も高くなっています。

 こうした中、売上を伸ばしている名古屋の企業は…。

「カババ」を運営する社長:
「中古車の相場が高騰しているのが続いています。その分、中古車で車を買う人は価格が高く、売る人からしたらメリットですけど」

 全国でも珍しい、中古車を専門に取り扱うフリーマーケットサイト「カババ」を運営する田中一榮社長。このフリマサイトを利用すれば、個人同士での中古車の売買が可能に。

 プロの鑑定士が売却希望者の車を査定、市場相場と比較しながら出品価格が決まります。

 ただ、店舗を構える必要がなく、売り残りのリスクもないことから、一般的な中古車販売サイトと比べ販売価格は抑えられているといいます。

「カババ」を運営する社長:
「購入者からはマッチング時に手数料をいただくんですが、こちらが3万3000円と固定となっています。うちの仲介手数料が安い分だけ、価格的にも売る方も買う方もメリットが出る」

 2020年からサービスをスタートすると取引件数は右肩上がりとなり、現在、月におよそ1億円の取引が行われています。

 2021年9月に「カババ」で中古車を購入した男性もメリットを感じていました。

「カババ」で車を購入した男性:
「これは車両価格が195万円です。(他の中古車会社だと)車両だけで240万円とかしていましたから、僕的には予算オーバーでした。安くて大変よかったと思います」

 しかし、そんな安さが売りの「カババ」でも…。

「カババ」を運営する社長:
「我々の出品価格も最近上昇傾向にございますね。高くなっている中古車だからこそ、少しでも良い車を安く売ってないかなということで、探されている方も増えていっていると実感しております」

 半導体不足が解消され中古車の価格高騰が収まるのには、まだ時間がかかりそうです。