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新型コロナの感染拡大は、経済に大きな打撃を与えています、その中で”爆売れ”しているのがタワーマンションや高級マンションです。特に名古屋エリアの物件は、価格面で首都圏からも注目を集めているといいます。一方、同じ不動産でも名古屋駅前などのオフィスビルには空室が目立ちます。バブルが続くマンションに、需要が見直されるオフィス…。コロナの時代の不動産事情は、明暗が分かれていました。
■人気の名古屋のタワーマンション…購入者の1割以上が”東京在住”
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名古屋駅から徒歩15分の「ノリタケの森」に隣接する「ザ・パークハウス名古屋」は、イオンモール直結の地上19階のタワーマンションです。
【画像20枚で見る】高級タワマン“爆売れ”でもオフィスに空室… コロナ時代の不動産事情 名古屋地区で今何が起きているのか
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パーティーができるほど広いリビングダイニングに、お洒落なバーカウンター…。この部屋のタイプで8000万円~で、最も高い部屋は1億円以上の“億ション”です。一度は住んでみたい、そんな高級タワーマンションの売れ行きは好調でした。
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三菱地所レジデンスの担当者:
「第一期については2棟(200戸)全て即日完売しました」
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売れ行きは予想以上で、全462戸に対して問い合わせは約7000件あったといいます。いま名古屋の高級マンションが売れています。中区錦の「プラウドタワー名古屋錦」は、全360戸のうち、既に9割近くを販売。名駅南の「NAGOYA the TOWER」では、最上階42階の4億円の部屋が売約済みだといいます。「ザ・パークハウス名古屋」では、購入した人にある傾向を見出しています。
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同・担当者:
「東京からの購入が13パーセント程度。在宅(勤務)に切り替わった会社があり、東京の高いマンション買うよりは名古屋で質の良いマンションが安く買えると」
新型コロナの感染拡大で、生活は一変し、在宅勤務などの推奨で、東京都心に住む必要がなくなった人などが名古屋のマンションを買い求める傾向があり、購入者の1割以上は”東京在住”だといいます。
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三菱地所レジデンスによると、東京都心3区(千代田・港・中央)は、坪600万以上が相場である一方、名古屋都心の相場は坪300~400万円前後で、60平方メートルの住宅で約4000万円もの差があるといいます。
■10年前から4割も値上がり…価格高騰が続く名古屋のマンション
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名古屋では、リニア・中央新幹線の開業を見据え、名駅から栄エリアで建物の容積率が緩和されました。より高いビルを建てられるようになったことでマンションの“タワマン化”が進み、販売価格が上昇傾向にあります。
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またコロナの影響で、建材を輸入する海外の工場がストップしたこともあり、10年前に3787万円だった新築マンションの平均価格は、2021年11月には5272万円とおよそ4割高騰しています。名古屋の不動産市場を調査している広告代理店は、この“マンションバブル”の要因は“投資”にあると話します。
不動産市場を調査している新東通信の担当者:
「“半投・半住”といって、半分投資目的、半分住居用で買われる方が増えている。富裕層や(共稼ぎの)パワーカップルやシニア層が“貸しやすく売りやすい”マンションを選ぶ」
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高級マンションの爆売れが続く名古屋。その勢いは、都心部以外にも広がっています。名古屋市千種区の閑静な住宅地「覚王山」で建設が進むマンションの看板には、「阪急阪神不動産」の文字が。関西エリアを中心に展開してきた阪急阪神不動産のマンションブランド「ジオ」が、「覚王山」や「八事」などに進出しています。
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兵庫県の「芦屋」など、高級住宅街を得意とする関西の不動産が、名古屋での商機を見出したのも「永住したくなる街」です。
阪急阪神不動産の担当者:
「(覚王山や八事は)『永住品質』がかなうマンションを建てるにふさわしい地。『その地でずっと子育てをしていきたい』とかの思いを抱かれる方が選ばれる」
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“将来の投資”を見据える都心のタワマンに、“永住ニーズ”に応える邸宅街の高級マンション。名古屋に渦巻くマンションバブル。価格高騰はしばらく続きそうです。
■企業はオフィスを縮小しコスト削減…コロナで空室が目立つオフィスビル
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一方、同じ不動産でも事情が異なるのはオフィスビルです。名古屋駅前に完成したばかりの「名古屋三井ビルディング北館」のテナント一覧のボードには、空白が目立ちます。
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貸しオフィスの情報を掲載しているサイトでは、このビルの100坪以上ある5階と15階のフロアの入居者を募集していました(2021年12月17日時点)。好調のマンションに対し、空室が目立つオフィスビルについて、専門家は…。
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不動産鑑定士:
「2020年までは、コロナ前の成約があって高稼働で竣工した。2021年になって、最近竣工したビルはなかなか(テナントが)決まらないまま竣工した」
オフィスの空き状況を示す名古屋の「空室率」は、リーマンショック直後の2010年に12パーセントを超えたものの、その後は徐々に改善。2019年には1.9パーセントまで下がっていました。ところが、コロナの感染拡大とともに再び上昇。2021年11月には“供給過剰”とされる5パーセントを上回っています。
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こうした中、名駅にオフィスなどが入る巨大ビルの建設を検討していた名古屋鉄道は、その計画を“立ち止まる”と表明。事業の見直しを強いられています。
不動産鑑定士:
「コロナの影響や先行きの不透明感があって、(名駅は)立地も良いけどコストもと。他のエリアも検討されていると思います」
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繊維商社「タキヒヨー」は、2021年2月に西区のビルの本社オフィスを3フロアから2フロアに縮小。年間1億4000万円のコスト削減につなげました。
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さらに、大きく舵を切ったのが東京・江東区の住宅設備大手の「LIXIL」です。4棟ある本社ビルでは、約8000人が勤務していますが、現在はリモートワークが定着し、出社率は約10パーセント。オシャレで広いオフィスには、約2年前に移転してきたばかりですが大きな決断をしました。
LIXILの飛田裕司常務:
「目的通りにこの1年半使えなかった。(2022年の)夏くらいから、(品川区の)大崎ガーデンタワーに移転する」
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現在の自社ビルは売却し、本社を品川の貸しオフィスビルに移転。借りるのは2フロア(6000平方メートル)で、本社ビルで使っていた面積(ビル4棟・6万平方メートル)の1割程度です。LIXILの飛田常務は、「約1000人のキャパシティがあれば本社の運営は可能。従業員が明確な目的をもって来られるような空間を作っていきたい」と話します。
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バブルが続くマンションに、需要が見直されるオフィス…。コロナの時代の不動産事情は、明暗が分かれています。