重症化が“89%減”…新型コロナ用の飲み薬 国内2例目の『パキロビッド』 医師に聞くメリットや注意点
国内2種類目の新型コロナ用の「飲み薬」として14日から使用できることになった「パキロビッド」。政府は今年中に200万人分を購入することで開発したファイザー社と合意していて、すでに4万人分が国内に納入されています。
すでに使用が始まっている、1例目の飲み薬「モヌルピラビル」と比較してみると、重症化を防ぐ効果は「モヌルピラビル」が30%減に対し、「パキロビッド」は89%減、10人のうち9人の重症化を防ぐ計算です。
使用できる年齢は、「モヌルピラビル」は重症化リスクのある18歳以上ですが、「パキロビッド」は12歳以上と服用できる年齢も引き下げされています。
服用の仕方は、どちらも1日2回・5日間飲むというものです。「パキロビッド」はオミクロン株に有効な可能性が高いとされる一方で、複数の病気の薬と併用することはできず注意が必要です。
そもそも厚労省は、妊婦、授乳中の人、腎機能や肝機能に障害がある人などへは、服用に注意が必要、または服用しないよう求めています。
併用できない薬については、39種類の成分が入った薬とされています。
具体的には、片頭痛の治療薬、高血圧、不整脈・狭心症の治療薬、高脂血症、不眠症の治療薬など、割と身近な薬も含まれています。
普段飲んでいる薬が分からないと処方できないので、医療機関を受診する際にはおくすり手帳を忘れずに持っていくことが大事です。
「パキロビッド」に関しては、2月27日まで承認直後の試験運用期間としていて、愛知・岐阜・三重では今後、扱う医療機関や薬局をリスト化していくとしています。
コロナ治療の切り札として期待…飲み薬『モルヌピラビル』薬局に問い合わせ増も数に限り「1日3人分まで」
この飲み薬についてどんなメリットがあるのか、愛知県がんセンターの伊東直哉医師は「飲み薬が広まることで、重症化する患者が減ることが期待され、飲み薬なので点滴などと比べ医療現場の負担軽減につながる。ただ併用注意や禁忌薬が多く、たくさんの薬を飲んでいる患者ではチェックが大変になる。武器が増えたことは良いことだが、一番は罹患しないこと。感染対策の継続と3回目のワクチン接種が大事」としています。