メダリストも届かなかった選手も…北京五輪で胸打たれた“アスリートたちの言葉”「これは諦めたらダメだ」
17日間にわたり数々のドラマを繰り広げた北京五輪が閉幕し、日本勢は前回の平昌五輪を上回る史上最多のメダル18個を獲得しました。私たちの胸を打ったのは、競技だけでなくアスリートたちの印象的な言葉でした。
■モーグル堀島選手「諦めそうになったけど」…4年前の雪辱果たし銅メダル
日本勢第一号の銅メダルを獲得した、岐阜県池田町出身の男子モーグル・堀島行真選手(24)。2018年の平昌五輪では、金メダルを期待されながらまさかの11位に終わりました。
堀島選手(北京五輪・競技後):
「諦めそうになったんですけど、これはちょっと諦めたらダメだなと思って」
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この4年間、モーグルの他にフィギュアスケート、スノーボード、体操、高飛び込み、さらにパルクールと6刀流に挑戦。メダルを獲ることだけを考えて過ごしてきました。そして悲願のメダルを獲得。しかし、堀島選手が語った言葉は…。
堀島選手:
「メダルとか最低限結果が残らないと、競技をしていられないんじゃないかと。本当の夢は金メダルなので、またここからがんばりたい」
「本当の夢は金メダル」。2月18日には、地元・池田町へ凱旋。そこでも…。
堀島選手:
「今回の銅メダルを糧に、4年後金メダルを目指して頑張っていきたい」
それを象徴するシーンが、競技直後のフラワーセレモニーでした。メダリストに贈られるビンドゥンドゥンの人形の端を取ると見せかけて、真ん中を選択。
堀島選手:
「どこでもいいということだったので…。(表彰台の)真ん中に立ちたかったけど、左にいるので。今度は真ん中に立ちたい」
■フィギュア鍵山選手「一緒に喜びを分かち合いたい」…父との二人三脚で勝ち取った銀メダル
彗星のごとく現れた“ニュースター”、現役高校生の鍵山優真選手(18)は、元オリンピアンの父の背中を追い続けてきました。名古屋市出身の父・正和さんは鍵山選手のコーチでもあり、二人三脚で五輪の舞台に。
そして、父を超える銀メダルを獲得。
鍵山選手:
「『(父から)おめでとう』という言葉をもらいました。オリンピックを目指してきた数年間、一緒にがんばってきたので…。一緒に喜びを分かち合えたのはとてもいいことでした」
フィギュアスケート個人・団体で銅メダルを獲得した、名古屋市出身の宇野昌磨選手(24)。
宇野選手:
「悔しいというよりこの4年間、色んなことがあった中で、オリンピックに出場する事ができ、また3位という成績が出せたことがすごく嬉しい」
フリーの演技で4回転ジャンプを5本、金メダルのネイサン・チェン選手に次ぐ高難度のプログラムに挑んだ結果でした。
宇野選手:
「この構成、練習を間違いなくあと数年続けていけば、今のネイサンの位置で戦える存在になることも可能と思うので、新たな挑戦をしていきたい」
そしてもう1組、大躍進を遂げたのが、中京大学の三浦璃来(りく)選手(20)と愛知県東海市出身の木原龍一選手(29)の“りくりゅうペア”。
団体ではショート・フリーともに自己ベストを更新する会心の演技。団体初の銅メダルに大きく貢献しました。
三浦選手:
「辛い経験を2人でして、本当に次につながるいい経験をした」
木原選手:
「もっともっと上にいきたいと思う五輪。僕たちは変わらず走り続けます」
■スノーボード國武選手「メダル獲りたかった」…メダルまであと一歩の4位
スノーボードスロープスタイル・ビッグエアの愛知県阿久比町出身の國武大晃選手(20)は、16歳で挑んだ平昌五輪では予選敗退でしたが、今回はメダルまであと一歩の4位に。
國武選手:
「メダルは獲りたかったです、人生を左右するようなことなので。4位は嬉しいのかと言われたら、悔しい気持ちが強い。(次の)イタリアもチャンスがあると思うので、またすぐ取り組もうと思います」
ノルディック複合団体で28年ぶりの銅メダルを獲得したのは、岐阜日野自動車所属のベテラン永井秀昭選手(38)選手。
永井選手:
「パッション、熱意がないとここまでできなかった」
今季限りでの引退を表明している永井選手は、3度目の五輪で有終の美です。
永井選手:
「会社とか家族、色んな人の支えがあってやり遂げられた。38歳で初めてギックリ腰をしましたけど、諦めずにここまで来れました」
クロスカントリースキーの児玉美希選手(25)は、三重県初の冬季五輪選手として30キロフリーに挑みましたが、65人中50位。世界の壁を痛感しましたが、自信にもなりました。
児玉選手:
「この舞台で経験できたのは、自分にとっては大きな一歩」
中京大学卒、スノーボードクロスの高原宜希選手(24)は、1回戦を1位で通過しましたが、準々決勝で転倒。初五輪はほろ苦いものに…。
高原選手:
「スタート攻めようと思って…。カッコ悪いところを見せちゃって申し訳ないです」
フィギュアスケートの名古屋市出身、河辺愛菜選手(17)は、トリプルアクセルを武器に初出場の大舞台に挑みましたが25人中23位、4年後の再挑戦を誓いました。
河辺選手:
「このような演技しかできなくて申し訳ないし、ちゃんと上を目指せるように4年間必死にがんばっていきたい」
スノーボードのスロープスタイルとビッグエアに出場する予定だった愛知県一宮市出身の芳家里菜選手(22)は、本番直前の練習で転倒し、脊椎損傷の大ケガで欠場。
<芳家里菜選手のインスタグラムへの投稿>
「初めての経験ばかりで辛かった事も多かったですが、今となってはいい思い出です」
■冬季五輪史上最年少のメダル獲得も…スノーボード村瀬選手「次はテッペンめざす」
芳家選手の思いも背負ってビッグエアに挑んだのが、17歳の岐阜市出身の村瀬心椛(ここも)選手。
村瀬選手:
「(大会での思い出は)羽生結弦選手をご飯行くときに見かけて「うわっ!ヤバイ本物だ」って」
村瀬選手は、決勝2回目で91.50の高得点をマークし銅メダル、冬季五輪で日本女子史上最年少でのメダルを獲得の快挙です。村瀬選手が通う岐阜第一高校でも、メダル決定の瞬間、喜びが弾けました。
村瀬選手:
「学校に行く時に、このメダルをみんなにかけてあげたい」
しかし、村瀬選手は銅メダルの余韻に浸ることなく、早くも4年後を見据えていました。
村瀬選手:
「次のオリンピック、銅メダルじゃ終われないので、テッペン目指して…。自分1人ではなく妹と一緒に次は出場したい」
17日間にわたり数々の繰り広げられた様々なドラマ。物語の続きは4年後です。