
ロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、東海3県では「食」や「モノづくり」を通してウクライナを支援しようとする動きが広がっています。
愛知県半田市にある多国籍料理レストラン「HAJIKAMI(はじかみ)」。

オーナーシェフの北川さん:
「これは『ボルシチ』と言って、『ウクライナの赤いスープ』と言われているんですけど、『ボルシチ』は結構ロシア料理のイメージが強いと思うんですけど、実はウクライナ発祥で」
オーナーシェフの北川尋千さん(37)は30カ国以上を旅した経験を生かし、およそ2週間ごとに世界各国の料理をワンプレートにしてランチタイムに出しています。
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野菜や大きなスペアリブを煮込んだウクライナの伝統料理「ボルシチ」や、ハーブとバターを鶏肉で包んだカツ「チキンキエフ」など、ウクライナの定番料理4品の盛り合わせを20日まで提供。

北川さん:
「(料理を通して)関心を持ってもらうというか、そういう入口になれば」
「HAJIKAMI」では、このランチの売上の一部を、ウクライナの人道支援を行う団体に寄付するということです。
オーナーシェフの北川さん:
「子供が亡くなったりとか、巻き込まれるのは現地の国民だったりするので、できることは小さいですけど、寄付とかに少し使わせてもらえたらなと考えています」
食を通した支援は、日本伝統の和菓子でも…。
青と黄色のウクライナの国旗をモチーフにした三重県・伊賀名物の「かたやき」。

作ったのは、伊賀市の老舗和菓子店「桔梗屋織居」です。

桔梗屋織居18代目店主:
「実際の国旗のカラーそのままにしますと、ちょっと食べるには濃いんですよね。ギリギリそれらしく食べられる許容範囲の色合いで」
価格は2枚入り400円。3月11日から店頭のみで販売を始めたところ、1日に20セットほど売れていて、その全額が寄付されます。

購入した男性:
「少しでも貢献できるというところで、とてもいい取り組みだと思います」
このウクライナかたやきを通して、出会いもあったといいます。
桔梗屋織居18代目店主:
「キエフを脱出して日本に来られた6歳ぐらいの女の子が、これを買いに来てくれたんですよ。実際にウクライナの方とつながったというのは、我々も勇気づけられました」
伝統の萬古焼を製造・販売する三重県菰野町の窯元では、3月15日にウクライナカラーの皿150セットをオンラインで販売したところ、1時間で完売。売上金の30万円はすでにウクライナ大使館に寄付しました。

山口陶器の社長:
「何年たっても『この時買ったんだな』ということを思い出してもらって、本当に戦争がない世界にしていくような、そういう思いが伝わればなと思っております」
ウクライナへの支援の輪が東海地方でも広がっています。