名阪国道沿いで55年愛される…『忍者ドライブイン』が閉店 最後の営業日は惜しむ家族連れらで賑わう
三重県伊賀市の国道沿いにある“忍者ドライブイン”。3月31日、惜しまれながら55年の歴史に幕を閉じました。
55年の歴史に幕を閉じた、伊賀市の名阪国道沿いにある名阪上野ドライブイン。通称“忍者ドライブイン”です。最後の営業日は、閉店を惜しむ家族連れなどで賑わいました。
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支配人:
「残念で仕方ないですけど、それでも最後に沢山のお客さんが来てくれましたので、本当にありがたい限りです」
開業は名阪国道が開通した翌年の1966年。
90年代には関西方面からの伊勢神宮への団体旅行を中心に、年間8万台もの大型バスで賑わいました。
2000年代に入ると、新名神高速道路の開通や個人での旅行が増える中で次第に利用客が減少。2012年に「忍者ドライブイン」としてリニューアルをしましたが、追い打ちをかけたのは新型コロナウイルスによる移動の自粛。
2020年は観光の大型バスの台数もゼロに近い状態になり、2022年1月に閉店を決めました。
長い行列ができていたのは、ドライブインの開業当時から続く中華料理店「太陽」。
名物は山盛りの「からあげ定食」で、トラックドライバーたちのお腹を満たすため、ボリュームいっぱいで続けてきました。
客:
「このタレで食うところがいいですね。結構ボリュームありますね」
別の客:
「最後、食べ納めに来た感じです」
ドライブインの閉店後は、伊賀市の市街地に移転して営業を再開する予定ですが…。
中華料理店「太陽」3代目の店主:
「次の所はトラックがなかなか停めにくい場所なので、そういう方が『もう行けないのか、残念やな〜』と言ってくれるお客さんが多かったので、それは心苦しいというか、心残りですね」
夕方になると、名産品の販売コーナーでも次第に売り切れの札が目立つようになり…。
元従業員:
「長いことお世話になりました」
41年勤務した従業員:
「目いっぱいお客さまへの感謝の気持ちをこめて接客しなくてはいけないと思っているんですが、もう自然と涙があふれてきて」
55年の歴史あるドライブイン。かつてここで働いた人や利用客らが、最後を見届けようと集まって来ていました。
支配人:
「55年間、本当に、本当に、本当にありがとうございました」
およそ半世紀の歴史に幕を閉じた“忍者ドライブイン”。感謝の賑わいに包まれ、その役目を終えました。