愛知県東海市に、イイダコが一匹丸々入った豪快なたこ焼きで人気の店があります。この店は、2020年11月にダンススタジオを営む一家がオープンさせました。まるでタコが踊っているようなこの“ダンシングたこ焼き”は、遠方からも客が訪れるほどの人気となっています。

■舌も心も踊る“ダンシングたこ焼き”…イイダコが丸ごと一匹入った「イイダコ焼き」

 愛知県東海市の東海市役所から車で5分の所に、人気のたこ焼き店「ダンシングタコ大ちゃん」はあります。この店のたこ焼きは、味はもちろん見た目のインパクトが特徴です。

【画像20枚で見る】イイダコが丸ごと1匹…インパクト大『ダンシングたこ焼き』ダンス一家が込めた“ダンス愛”

男性客:
「見た目ビックリですよね」

別の男性客:
「(タコが)一個丸々入っているのでおいしい」

看板メニューは、イイダコを丸ごと使った「イイダコ焼き」(5個750円)。

たこ焼きは、店主の大迫ダイスケさんが“踊っているタコ”をイメージして焼いています。舌も心も踊る“ダンシングたこ焼き”です。

■甘辛く煮込んだイイダコを丸々豪快に…カリっと焼き上げた人気の「イイダコ焼き」

 午前11時半の開店を前に、店ではダイスケさんが生地の準備を始めていました。

店主の大迫ダイスケさん:
「和風だし。あと魚粉が入っています。生地には自信があります、どこの生地にも負けないくらいおいしい」

 開店と同時にお客さんがやってきます。オープンして1年と3か月ですが、すでに人気店となっています。

男性客:
「豊田から来ました。流行りのたこ焼きと聞いて」

女性客:
「インスタで知って来ました」

 注文が入ってから焼き始めるたこ焼きは、和風だしがたっぷりと入った生地に天かすとネギ、そして醤油などで甘辛く煮込んだイイダコを丸ごと豪快に投入。タコの身が大きいため生地には全部入りきりません。焼き方にも他の店とは違う工夫があります。

ダイスケさん:
「半分だけ焼くイメージで、全部をひっくり返さない。ソースは一切かけていない、タコの煮汁が混ざっておいしくなります」

生地を回しながらカリっと焼き上げた「イイダコ焼き」。柔らかいタコは、味がしっかりしていて食べ応え十分で、生地のふわトロ感がたまりません。

■イイダコ焼きは大迫家の家庭の味…「イイダコ焼き」が生まれたきっかけ

 お店にはイートインスペースもあり、焼きたてを楽しむことができます。

女性客:
「毎週食べています。タコ食べるのが楽しみで。(生地の)だしがすごく独特で、おいしい」

男性客:
「タコ出とるやんって、見た目通りの。タコがそのまま一匹入るのですごくいい」

 一人で1万4500円分、20人前を注文する男性もいました。

男性客:
「友達に配るやつとか、身内で(食べます)。イイダコの好きな人は大好きで食べられます」

 午後になると、さらに人が増えてきました。息子の慧(けい)さんが注文を取り、ダイスケさんが手際よく焼き、お母さんの直美さんが出来上がりを運ぶというチームワークの良さが自慢です。

しかし、なぜイイダコを丸ごと使ったたこ焼きを考えついたのでしょうか。

息子の慧さん:
「小さい頃、スーパーでイイダコを買って焼いて食べていた。その時はイイダコ焼きって言っていなかったけど、『でっかいタコのやつ』みたいな」

直美さん:
「私はイイダコを入れて、これがたこ焼きだと思っていました」

大迫家ではこの“イイダコ焼き”が、昔からの家庭の味だったのです。

■“踊るたこ焼き”のイメージはブレイクダンスのヘッドスピン…一家の本業はダンススタジオの経営

 大迫さん一家は、コロナの真っ只中の2020年11月にたこ焼き店を始めました。大迫さん一家の本業は、たこ焼き店ではなくダンススタジオの経営です。

 一家が経営する「フローレス ダンススタジオ」には、子供から大人まで約80人が通っています。ダイスケさんは引退しましたが、母の直美さんと息子の慧さんは、今もインストラクターとしてダンスを教えています。スタジオ経営の傍ら、たこ焼き店を始めました。

直美さん:
「コロナが一番大きい。スタジオイベントができなくなったり、ダンス教室も休止したりして、このままだと厳しいなと…」

一家は、コロナ禍で一念発起。以前は事務所だったスペースを改装し、たこ焼き店をオープン。生地や具材など試行錯誤を重ね、大迫家で昔から食べてきたメニューを再現しました。そのたこ焼きには、ダンス一家ならではのこだわりを込めました。

ダイスケさん:
「ブレイクダンスのヘッドスピンのようなイメージ」

確かに、生地からはみ出したタコの足がまるでブレイクダンスをしているようです。

ダイスケさん:
「メインはダンスなので、コロナが落ち着いたらイベントをやっていきたい。そこにタコを合わせて、外でイベントやるときに出店するとか、一緒に成長して行けたらいい」

「イイダコ焼き」には、大迫さん一家のダンスにかける想いが詰まっています。