愛知県豊田市の明治用水の取水施設で大規模な漏水が発生してから半月余りが経過しました。現地の状況も変わりつつあります。

 漏水が起きている「明治用水頭首工」の6月2日の様子。上流側の穴の周辺に土のうが積み上げられ、川の水をできるだけ入れないようにしています。

 今回の漏水では、上流側にできた穴から入った水は地下に流れ、頭首工の下流側にできた穴から噴き出していました。

『穴』はどう埋めてどれだけ時間かかるのか…用水施設での大規模漏水 専門家が語る“復旧までの長き道のり”

 5月27日の画像では、勢いよく水が噴き出すのがわかりますが、6月2日の画像では、漏れた水の噴き出し口が見えなくなっていて、土嚢を積み上げた効果が表れているようです。

 2日は専門家ら6人による復旧対策検討委員会が初めて開かれました。終了後、委員長を務めた三重大学の石黒覚名誉教授らによる記者会見の内容をまとめました。

 発生のメカニズムについては「パイピング現象」が起きたと推定。パイピング現象は、地中などに染み込んだ水が土を押し出して、地表から湧き出るという現象です。

 原因については、老朽化・経年劣化が影響した可能性があるとして、今後の調査をして特定するとしています。

 その上で、漏水の流れや位置、地下の空洞の大きさなどがはっきりしていないとして、調査する必要があると話しています。中でも、水の流れを確認するため何かを流して調査する可能性もあると話していました。

 頭首工の本格復旧については、「できるだけ早く」と述べただけで明言しませんでした。委員会は6月中旬に第2回を開き、現地の調査方法などを具体的に検討するとしています。