愛知県で作られた世界初の「とろみがつく自動販売機」。

 よく見ると、ボタンの中に「とろみ」の文字が。このボタンを押せばアイスココアもトロトロに…。

何が出てくるか不明の物まで…ナゴヤにあった『独特すぎる自動販売機たち』42mのプチプチは誰が買うのか

(リポート)
「飲みやすくなるのはもちろん、味が濃く『ギュッ』となっているような感じがしてすごくおいしいです」

 他にも、抹茶ラテやレモネードまで、何でもとろみをつけられます。

 作ったのは愛知県大府市に本社がある「アペックス」。カップ式の自販機などを製造していますが、とろみをつけた飲み物の自販機を作った理由は…。

アペックスの担当者:
「高齢化社会にともなって、嚥下(えんげ)機能に障害を持った方が増えてきたというところで、何か対応できるものはないかということで私共の方に依頼がきまして」

 食べたものは、気管への弁を閉じて食道へいきますが、高齢になるとその弁を閉じるスピードが遅くなり、誤って気管に入ってしまい「誤嚥性肺炎」を発症してしまうこともあるといいます。

 この誤嚥性肺炎で5万人近くの人が亡くなっていて、2021年度の死因では6位でした。

 そのリスクを軽減してくれるのが、このとろみつき自販機。飲み物にとろみがつくと喉を通過するスピードが遅くなり、誤嚥を防ぐ効果が期待できます。

アペックスの担当者:
「キャベツ由来の微生物の動きによってできる酵素(使っている)。ドレッシングだったりとか化粧水にも含まれているような、ちょっとトロっとしたような成分になるんです」

 植物由来の安全なとろみ材を使い、飲み物の味を損ねないように分量を調節。開発に2年をかけました。

 2018年に発売し、今では病院や介護施設、百貨店や高速道路のSAなど、全国およそ900か所に採用されています。「おおぶ文化交流の杜」では2年前に設置しました。

おおぶ文化交流の杜の館長:
「のみ込みとかに不安がある方も、安心してお楽しみいただけるのかなと思いまして導入を決定いたしました。休憩スペースの方で、お年寄りとかお子さんが一緒に飲み物をお楽しみになっている姿を見ると、よかったなと思います」

アペックスの担当者:
「これからも高齢化社会が進んでいきますので、こういったマシンを導入していただいて、みんながハッピーになれるような提案ができればなと考えております」