愛知県田原市に昆虫と魚に努力と情熱を注ぐ、小学6年生の男の子がいます。この男の子は国内3例目の貴重な昆虫を発見したほか、史上最年少で「さかな検定1級」に合格した“スーパー小学生”です。

■国内3例目の“トゲナナフシのオス”を発見した昆虫大好きの小学6年生

 愛知県田原市の昆虫好きの小学6年生の男の子、森下泰成(たいせい)くん。小学校1年生の時から飼い始めたのが、ナナフシの一種「トゲナナフシ」です。卵を産ませ、今では毎年100匹ほどを育てています。

【動画で見る】ナナフシで歴史的発見した小学生は『さかな検定1級』史上最年少合格 努力と情熱の源は

 トゲナナフシは増えるのに交尾を必要せず、メスが自分のクローンを生んでいく「単為生殖」をすることで知られています。

オスが生まれることはないはずですが、泰成くんは一匹だけ大きくならないナナフシを発見し、オスではないかと専門家に相談したところ、全国で2匹しか報告されていなかったオスであるとわかりました。

名和昆虫博物館の名和館長:
「今の野球選手でいけば、大谷さんみたいなレベルのすごいことじゃないかなと思うんですけど。これを見逃すと、僕はたぶん死ぬまでもう二度と見られないと思っております」

専門家も興奮する歴史的発見をした泰成くんは、「オスのトゲナナフシは珍しいものだし、僕だけでなくみんなにも見てもらいたい」と、岐阜市の名和昆虫博物館に寄贈しました。

名和館長は「改めてオスを発見した泰成くんの努力と情熱に感謝。今後もその時に興味があることを、自分の本能のままにやり続けて欲しいですね」と話していました。

 また泰成くんは今年の夏休みの自由研究で、トゲナナフシが食べる植物について調べています。今まで10種類ほどを与えていますが、「何を一番よく食べるのか、ありとあらゆる葉っぱを試して、一番おいしい葉っぱを追求したい」と思っているということです。

色々な葉っぱを採取していて、「夏休み中にはとても終わらない」と、早くも研究者の片鱗を見せています。

■さかなクンも絶賛!史上最年少タイ記録で「さかな検定1級」に合格

 泰成くんが努力と情熱を注ぐのは、昆虫だけではありません。世紀の発見をした昆虫博士は、あの「さかなクン」も絶賛する「さかな博士」でもありました。

泰成くん:
「友達から『泰成、魚と虫の二刀流じゃん!』とか言われて。実は僕は魚も大好きで」

泰成くんは虫と同じぐらい魚が大好き。金魚やメダカを飼っていて毎日世話をしていますが、この金魚を飼いたいがために、快挙をなし遂げました。

泰成くん:
「日本さかな検定1級。さかな検定1級に受かったら、金魚を飼っていいよと(言われた)」

日本さかな検定、最上位の1級は合格率わずか10%台の難関。泰成くんが合格したのは小学5年生の時で、史上最年少タイ記録です。

Q.受かった時はどんな気持ちだった?

泰成くん:
「よし(金魚を)飼えるんだと嬉しかったです」

 この検定がどれだけ難しいのか、例題です!独特の紋様ゆえにモンゴウイカとも呼ばれるカミナリイカは、次の4つのうちどれでしょうか?

正解を泰成くんに解説してもらいました。

泰成くん:
「カミナリイカは目のような紋様があって、よく見るとそれが入っているから、2番がカミナリイカです」

正解は2番。

こうした問題に、正答率80%を超えて見事合格。そのお祝いには、あの「さかなクン」も。さかなクンのYouTubeチャンネルに電話出演したことで交流が始まり、合格した時にサプライズでお祝いし、初対面を果たしました。

泰成くん:
「さかなクンが本当に大好きです。人柄も好きだし本当に全部好きです。すごいびっくりして、うまく自分の気持ちを伝えられなかったのが、ちょっと心残りです」

■月イチで訪れ市場でも有名人に…スーパー小学生は魚も捌く

 魚を愛する泰成くんが月に1度訪れる場所が、自宅近くにある渥美魚市場です。たくさんの魚が並んでいます。

泰成くん:
「ここがクロダイで、ここがスズキとコショウダイ、ここは全部ワタリガニ」

ただ魚を見るという目的でやってくるんですが…。

泰成くん:
「これはハマフエフキ」

市場の女性:
「あんまりいないよねこれ、南の方だよね」

仲買人:
「オシャレコショウダイが揚がったことがある」

泰成くん:
「オシャレコショウダイが揚がるんですか!?えー見てみたい」

もう市場の有名人です。

渥美魚市場の社長:
「はじめ見た時、魚好きな子がいるなと思っていて。色々話を聞いていくうちに、とと検定(さかな検定)に日本最年少で合格したと聞きまして、ここの市場の中で僕たちがわからない魚を森下さんに聞いて、教えていただくことがあります。ぜひうちに入って水産業界を盛り上げてもらいたいですけど、もっと上を目指してというか、教授とかそういったところまでいってもらいたいですね」

この日は、ハマフエフキという魚を特別に譲ってもらいました。

 家に帰ると、泰成くんが魚をさばき始めました。

泰成くん:
「口が細長いので、笛を吹いているみたいで“フエフキ”と言われています。沖縄とか南の方でよく獲れる」

さばき終わると、ガスバーナーで炙りだし…。

それを豪快に製氷室へ。

母親:
「ちょっと待って、そんなことやらないで」

泰成くん:
「だってさ、すぐ冷やさないとダメだった」

炙って冷やすと身がしまるそうです。そして作ったのが、刺身・あぶり・湯引きの3種のお造り。

記者:
「おいしい、コリコリですよ。新鮮なので臭みが全くなくて」

母親:
「すごく脂がのってる。泰成がこうやって作ってくれると、一緒に台所に立つじゃないですか、すごくその時間が楽しい」

昆虫だけでなく魚にも詳しいスーパー小学生、将来の夢は魚の研究者です。