牛乳パックを手もみして“革”のように…廃棄品に新たな価値与え商品化「アップサイクル」に取り組む老舗企業
ゴミに新たな価値を与えてもう一度商品などにする「アップサイクル」が注目を集めています。三重県伊勢市の老舗企業では、牛乳パックが生まれ変わっています。
創業100年余りを誇る、三重県伊勢市の山村乳業。
店頭には牛乳だけでなく、コーヒー牛乳などの昔懐かしい瓶の商品も並びます。
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そんな商品棚の上には「牛乳パックを再利用」と書かれたポップと、変わったデザインのポーチが。
広報の担当者に話を聞いてみると…。
山村乳業の担当者:
「(名刺入れは)牛乳パックを再利用した商品です。ご注目いただいたりとかすると、ちょっとしたアイスブレイクにもなります」
10月から販売を始めたのは、本物の牛乳パックを使った名刺入れをはじめ、ポーチやカバン、スリッパなど6種類の商品。「見た目が可愛らしい」などとネットや店頭でじわじわと人気が高まっています。
開発のきっかけは…。
山村乳業の担当者:
「こちらご覧いただいている分が大体1日分ぐらいです。これまでもリサイクルはしていて、何か別の切り口でできることはないかと、今回新しい挑戦というところで商品化しました」
販売するソフトクリームなどの乳製品を作る過程で出る、使用済みの牛乳パックは週に100箱以上。これまでもトイレットペーパーなどにリサイクルしていましたが、SDGsの一環として、素材をそのまま生かして付加価値を付けて再び商品にするアップサイクルに着目して商品化しました。
市内の障害者就業支援施設と協力し、ミシンで縫い合わせて作っていますが、最大の特徴は…。
(リポート)
「柔らかくて手に吸い付くような感触もあって、本物の革のような質感です」
山村乳業の担当者:
「革のような柔軟性、柔らかさをしっかり感じていただけるように、手揉みで牛乳パックを揉んで、肌触りが近いものを実現できるように作っております」
人の手で30分ほどかけて1つ1つ揉みほぐすことで、牛乳パックが牛の革の質感に変化。さらに、柔らかくすることでクッション性が増し、耐久性も高まるといいます。
環境と質へのこだわり。新商品も開発中です。
山村乳業の担当者:
「新たな価値としてそれが良いと思っていただけるお客さまの手に届くのは非常にありがたい。伊勢から全国の皆さんにいい商品をお届けできればと思っております」