名古屋市港区にある空き家だった築およそ50年の建物が、アーティストの創作活動の拠点に…。街を活性化する取り組みが行われています。

 野鳥が羽をのばす自然の映像。ビルに見立てた彫刻をプロジェクターの前に置くと、映像が影で隠されていきます。街が建設され、自然が侵食されるさまを表現したパフォーマンス作品です。

 作品が披露された場所は、名古屋市港区の税関の職員の寮として使われていた建物です。

【動画で見る】元々は税関職員の寮…築約50年の”空き家”でアーティストが創作活動 アート通じて街の活性化図る

築およそ50年、部屋番号が書かれたドアの中では、畳敷きの広々とした部屋でアーティストが制作活動をしています。

10年前からは空き家になっていましたが、現在はアーティストに制作の拠点として貸し出されて、制作の様子が一般公開されました。

粟坂さん:
「こういう感じで引き寄せたまま、30分くらいずっとこの状態を続けて」

岐阜出身の粟坂萌子さんは、自分の身体の形を写し取った立体作品を手掛けるアーティスト。一般の来場者を前に、そのユニークな制作の手法を説明しました。

 港区の中でも空き家が多く、130以上はあるというこのエリア。街を盛り上げようと、6年前からアーティストを招待するプログラムが始まりました。

アッセンブリッジ・ナゴヤディレクターの吉田さん:
「滞在しながらここで制作するってことで、お庭を使ってみたりとか、広い場所を使ってみたりとか、そういう実験を繰り返せるような空間というのがとてもいいなと思っています」

アーティストにとっても、街とかかわりながら制作をすることが刺激になっているといいます。

アーティストのエリオット・ヘイグさん:
「街と自然が残された場所が共存しつつあるような場所。インスピレーションが湧く、私たちにとって」

 アートを通じて港区を盛り上げるプログラム「アッセンブリッジ・ナゴヤ」には、およそ20組のアーティストが参加。

12月10日は地下鉄築地口の駅前で、手芸や工作を体験できるワークショップや音楽ライブなどが展開されるお祭り「ブロックパーティー」が開かれます。