人呼んで「岩倉の鉄人」…御年94歳の男性ランナーが3年ぶりのフルマラソン “国内最高齢記録”に挑戦
三重県松阪市で18日に開催された『みえ松阪マラソン』に、御年94歳の男性が参加しました。3年ぶりのフルマラソンに挑戦した「鉄人」に密着しました。
力強い足取りで五条川沿いを走る中村学而さんは、今年94歳を迎えた、現役マラソンランナーです。「岩倉の鉄人」と呼ばれています。
64歳でフルマラソンを完走したのを皮切りに、国内外合わせて400以上のレースを走破してきました。
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中村さん:
「1番2番という頭は全然ないです。ただ完走狙いで」
中村さんが元気な理由は、健康体操のサークル活動にあります。昭和歌謡に合わせて、元気にダンスします。周りは全て女性です。
中村さん:
「元気出る。女の子20人」
マラソンの練習は週に3回程度です。3年ぶりのフルマラソンとなる『みえ松阪マラソン』は日本陸連の公認大会で、制限時間7時間以内で完走すれば、国内最高齢記録を更新することになります。ランニング仲間も期待を寄せます。
ランニング仲間(70):
「休まなかったらいけるって。国内最高齢記録を目指しましょう」
中村さん:
「目指しましょう!」
迎えた大会本番では、入念にストレッチしてスタート地点へ向かいます。
中村さん:
「(完走したら)終わってからすき焼きを食べようということで、皆さんと一緒に。松阪牛を食べようということでね」
号砲とともに走り出すランナーたちですが、7500人がエントリーしていることもあり、中村さんはなかなか出発できません。8分後にようやくスタートしました。
中村さん(3キロ地点):
「長いなぁ…」
ゆっくりと自分のペースで走りますが、出だしの遅れもあり、3キロ時点ですでに40分が経過しました。
最初の関門は7キロ地点で、制限時間内の完走のためには、10時25分までに通過しなければなりません。
しかし、18日の松阪は冷え込みの厳しさに加え、強い風も吹いていました。
ランニング仲間(57):
「あと12分。まだ6キロ行ってないでしょ?」
6キロ地点の通過は10時16分で、7キロの関門は制限時間に1分ほど間に合わず、タイムアップとなりました。
中村さん:
「あ〜ごめんなさい」
ランニング仲間ら:
「大丈夫、大丈夫」
「中村さん、がんばった、がんばった」
残念ながら松阪牛はお預けになりましたが、それでも中村さんは走る喜びを感じていました。
中村さん:
「同伴していただいたおかげで楽しく3人で走れました。がんばります、またね」