周辺歩くと外国料理店等10軒も…名鉄新安城駅に“まるで本国”な海外グルメ続々のワケ 店内入れば別世界
愛知県安城市の「名鉄新安城駅」の周辺に、「まるで本国」のような外国のグルメ店が密集しているとインターネットで話題になっている。なぜこうなっているのか、現地を取材した。
■新安城に外国料理や食材店が密集 駅周辺だけで10軒も
名古屋から車で45分ほどの愛知県安城市の「名鉄新安城駅」。駅前を見る限りでは、あまり海外の雰囲気は感じられない。
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ところが、駅の近くを歩いてみると、情報の通り、海外の店を次々と発見した。
ブラジルの店に…。
スリランカ料理のレストラン。
ベトナムの食材を集めた店も。
インドネシアやバングラディッシュの料理店と、ブラジルの食材店が隣り合わせで建っているところもあった。
新安城駅の周辺を少し歩いただけで、10軒もの外国料理や食材の店を発見。
確かに多くの店が密集していた。
■見たことのない子袋に入った液体は?…ブラジル製品を扱うスーパー
まずは「ブラジルリアンフーズ」と看板に書かれたスーパーに入ってみた。
リポーター:
「お客さんの雰囲気も含めて日本じゃないですね。これ、お菓子ですよね。初めて見るやつばっかり」
店に入ってすぐのところには、菓子やパン。
さらに化粧品や…。
精肉の加工スペースまで。
色々と売られているが、店内のポップに日本語の表記はない。まるで現地のスーパーのようだ。
店内で聞こえてくるのはポルトガル語のみ。
「ブラジル旅行中に撮影した」といっても通じそうな光景。次から次へと入ってくる客は、ほぼ全員が外国の人。店内はまさに「まるで本国」のような雰囲気だ。
どんな商品が並んでいるのかをさらに詳しく調べてみた。
いかにも辛そうなチリソースに…。
ずっしり重いビッグサイズのソーセージ。
チョコレートのドーナツ型のクッキーなど。見た目のインパクトが強いものばかりが並んでいる。
リポーター:
「よく見るメーカーの。あっちょっと違うな。ファンタじゃなかった。フナダ…?」
ファンタではなく「フナダ」。こちらはブラジルで人気の「ガラナジュース」だという。試しに飲んでみた。
リポーター:
「これは甘いですよ。甘いし、炭酸もけっこう効いているし、なによりガラナの香り」
そして特に気になったのが、レジ横で箱に入って売られている商品。
小さなビニール袋に入った「液体」のようなもの。商品名の表記もない。
小袋の端をかじり、中の液体を吸うものだということで、口にしてみた。
リポーター:
「おー、すごい。甘い。本当の蜂蜜ですね。これは、ブラジルでは誰が食べるんですか?」
店員:
「みんな食べる。子供と大人、みんな」
ちなみに「キャラメル」バージョンもあった。
ブラジルでは定番の商品で、説明がなくても普通に客も買っていくという。
キャラメルバージョンは、パンに塗って食べる人が多いそうだ。
■「自動車関連企業」エリアの中心にある安城市 イスラム教徒のための「ハラルフード専門店」も
なぜこのエリアに、「まるで本国」のような店があるのか、ブラジル出身の店主に聞いてみた。
店主の男性:
「安城がね、たぶん真ん中です。岡崎、豊田、刈谷、西尾とかね」
「トヨタ」や「デンソー」など自動車関連の企業が多く集まる西三河エリア。外国人労働者も多く、ちょうどこの名鉄新安城駅の辺りが地理的に中心のため、周辺から買い物や食事に集まってくるのではないかという。
そのため、様々な国の文化や宗教に対応した店が並んでいるようだ。
次に訪れたのは『アジアンハラルフード&グッズ』。イスラム教徒の戒律に対応した「ハラルフード」の専門店だ。
インドネシアから来たという刈谷に住んでいる女性客。
この日は、ココナッツパウダーとココナッツのジュースを購入していた。
リポーター:
「これはここじゃないとなかなか買えないですよね」
女性客:
「そうですね、日本にはちょっとないんです」
この店には、お菓子や調味料など、主にインドネシアの商品が揃っていた。
この店も商品に日本語表記はない。「まるで本国」感にあふれていた。
■“美食の国・ペルー”にはそのままで「日本人の口に合う」メニューも
せっかくなので、どこかの国の食事を食べようと駅の南側へまわると、日本ではあまりなじみのない、ペルー料理の店「De la koncha(デ ラ コンチャ)」があった。
マネージャーの男性:
「(ペルーは)食材の宝庫とも呼ばれておりまして。沿岸部と山岳部、あとアマゾン川流域。その3つの地形でとれるお野菜やお魚とか、食物が全然異なってきます」
ペルーといえば世界遺産の「マチュピチュ」が有名だが、最近では「美食の国」としても知られているという。
マネージャーの男性:
「お待たせしました。こちらがまずペルーを代表するマリネでございます。『セビーチェ』でございます」
タイやタコなどの魚介類に、ペルー産の唐辛子やパクチーを混ぜ、たっぷりのライム汁であえた「セビーチェ・ミクスト」(2650円)。“ソウルフード”的な一品だという。
リポーター:
「めちゃくちゃエビがプリップリで、ピリ辛があとからきいてきますね。こんなに柑橘系のソースがしっかり絞られていて、辛さもきいて。大地の恵み、海の恵みをいただいている感じがしてきますね」
続いてはペルーの醤油を使った「ロモサルタード」(2750円)。牛肉と玉ねぎ、トマトなどを、醤油ベースのタレで炒めた家庭料理だ。特に日本人の口にあうという。
リポーター:
「おいしいですね。日本の味付けにすごく近い感じがします」
マネージャーの男性:
「よくお客様に言われますね。『味付けは合わせているの?』とか言われるんですけど、そんなことはなくて、本場そのままを再現しております」
新安城駅周辺は、日本にいながら「プチ海外旅行気分」を味わうことができるエリアだ。
2022年10月11日放送