コロナ禍による生活の変化でペットの人気が高くなっています。それに伴い、ペットを飼っている人に利用したいサービスを聞くと、「墓・供養」が35%と最も高い結果となりました。イマドキのペットの葬儀について調べました。

 三重県四日市市にある「四日市ペット斎場」。“ペット火葬炉の全国シェア6割”という地元企業が、供養する手段にと14年前から葬儀を手掛けています。

取材した日も、女性が飼っていた猫の葬儀の相談に訪れました。

【動画で見る】犬や猫の人気の高まりで需要増…飼い主が気になる『ペットの葬儀』のイマ 圧倒的に多い要望は“個別火葬”

飼い主の女性:
「普通のところ(の火葬)ではあまりにもかわいそうで。19年生きたんですよ」

手のかからない、おとなしい子だったという、雄猫のしゃあ君。

飼い主の女性:
「日々のしぐさとか、すごく胸に残っています。ペット以上やね」

依頼件数は年々増え、いまでは1か月におよそ150件を数えるといいます。

 動物葬祭ディレクター1級の柴田七海(しばた・ななみ)さんによると、依頼内容も変化しています。

その1つが、供養されるペットの種類。

柴田さん:
「基本的にはワンちゃんとか猫ちゃんが多いですね。その次にウサギさんとかも結構多いんですけど。あとは小鳥ちゃんとかハムスターちゃんとか、亀さんとかトカゲとか、一番驚いたのはニシキゴイとか。驚きましたけど、かわいがってみえたのかなと」

犬や猫・小動物のほか、ニシキゴイの依頼もあったそうです。

 この斎場では、火葬して埋葬・納骨する流れとなっていますが、この火葬にも特徴があります。

柴田さん:
「合同火葬と個別火葬に分かれておりまして、合同火葬は亡くなった他のペットちゃんたちと一緒に火葬させていただくプランになります。個別火葬はご家族様のペットちゃんだけを火葬させていただくものになります。やはり個別火葬を選ばれる方が圧倒的に多いです。最後まで特別に家族の時間を取りたいと思われている方が多くいらっしゃるんじゃないかなと思います」

また、火葬の前に僧侶に読経してもらう人や、火葬の後に「お骨拾い」を依頼する人も増えているということです。そこにはペットを飼う環境の変化が大きく影響しているといいます。

柴田さん:
「昔に比べると、室内飼いの子がすごく増えているのが大きい理由の1つになるんじゃないかなと思います。来られるペットちゃんって本当に家族と一緒、家族の一員なのでちゃんと送り出してあげたいという思いの強い方がたくさんみえますね」

この斎場では行っていませんが、最近では自宅で火葬をしたいという声もあり、においや有害物質の発生を抑える装置を備えた火葬車による「訪問火葬」も増えているそうです。

火葬後は、霊園に埋葬したり納骨堂で供養します。

 遺骨や遺灰を手元にと、ペンダントやストラップもありました。

柴田さん:
「遺骨を手元に置いて持ち歩けるペンダントやストラップは、かなり人気なものになります」

ペットの毛を持ち歩くためのケースや、足形を残せるグッズも人気だということです。

柴田さん:
「家族の方の想いとかを聞いていると、本当に家族の一員としてかわいがっている方がたくさんみえるので、そういう気持ちに寄り添いながら、いろんな形を提案していけたらいいなと」

 ペットの葬儀に関するアイテムとして、名古屋で開発された「小動物用供養(埋葬)キット 小動物だって弔ってあげたい」も話題となっています。

キットには2枚の袋が入っていて、まず黄色の袋にメッセージを書いて埋葬するペットを入れます。そしてもう1枚の緑色の袋に、黄色の袋とペットの好物や花を一緒に入れて土に埋めます。すると、微生物に分解されて土に還るといいます。袋はタピオカの原料として知られるキャッサバを加工しているので、環境にも問題ありません。

このキットは「小動物だって弔ってあげたい」という神戸大学の学生たちからの声に、名古屋で自動車用エンジン部品などを扱う会社「佐久間特殊鋼」が応え、子会社のあるインドネシアで流通していたキャッサバの袋に着目し、1年かけて商品化したということです。