前回の衆議院選挙で、岐阜5区に立憲民主党から全国最年少の25歳で出馬して落選した今井瑠々さんが、今度は自民党の推薦で岐阜県議選に立候補すると表明しました。13日の記者会見では何を語ったのか。有権者の反応も取材しました。

今井瑠々さん:
「政党のための政治でなく、地域の皆さまのために政治がしたいと」

13日、野田聖子議員らと並んで会見を開いた今井瑠々さん(26)。立憲民主党を離党し、4月の岐阜県議選で多治見市選挙区から自民党推薦の無所属で立候補することを正式に表明しました。

自民党の野田聖子衆院議員:
「果敢な女性で、かねてからわが自民党にいてほしい人材だなという思いはございました。私は今日は保護者のようなつもりで」

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 2021年10月の衆院選で、自民党・現職の古屋圭司議員に挑戦した今井さん。全国最年少、被選挙権を得たばかりの25歳の選挙戦は全国から注目を集めました。

当時は…。

今井瑠々さん(2021年4月の出馬会見):
「現職の方がもっといろんな努力をして、岐阜を発展させてくれたり、東濃を活性化させてくれるはずじゃなかったんだろうか」

今井瑠々さん(2021年10月):
「この小さな一歩を積み重ねなければ、現状維持、先送りの政治、続いていってしまいます。本当にそれでいいのでしょうか」

選挙戦では「現在の自民党政治を変えたい」と訴えました。

その結果、無党派層を中心に一定の支持を集め、地元の多治見市では古屋議員の票を上回るなど、およそ1万4000票差まで追い上げましたが惜敗。

今井瑠々さん(2021年11月):
「このたびは私の力が及ばず、本当に申し訳ございませんでした」

 次期衆院選に向け、すでに立憲民主党の公認内定を受けていた今井さんは、自民党への「鞍替え出馬」について、こう説明しました。

今井瑠々さん:
「地域の今活動されている現場の声を生かしていくには、1人ではなかなか難しかった。地元の市議さん・県議さん、実際に政策を実現・実行していくには、自民党の皆さんのお力・知恵を借りる必要があると考えたからです。先の統一地方選であったりだとかについて話をする中で、『どう考えているの』というお話があり、私から様々な形で、地元の(古屋議員の)関係者の皆さまに相談をして、そして結論に至った、私が決断をした。例えば参議院選挙後に立憲の支持率が伸び悩んだりだとか、そうしたところからも有権者からの支持があまり得られていないのかなという感触はありました」

 立憲民主党岐阜県連は12日に緊急の会議を開き、今井さんについて、離党届を受理せず除籍処分とすることや、これまでに交付した活動費650万円の返還を求めるよう、党本部に上申することを決めました。

立憲民主党岐阜県連の渡辺代表:
「これまで支援していただいた人を何と思っているんだろう。裏切り行為だということで、とても許せるものではない」

立憲民主党の泉代表も13日の記者会見で…。

立憲民主党の泉代表:
「地方組織が弱いから出ていったとなれば、それはもう政治家としては不適格だと」

 突然の「鞍替え」に、多治見市の有権者は…。

80代男性:
「前回の選挙の時に対立候補であった人が、なぜその人の傘下に入るのかと。これは明らかに意見を変えたとみなさなければならないんじゃないですか」

60代女性:
「ただ政治家になりたいのか、どういう思いで立憲民主党に行くのか自民党に行くのか、その辺がちょっとアバウトな感じがして、なかなか理解しにくいところがありますね」

20代男性:
「僕は人で見るので、あんまり党とかは気にしていないですね」

60代女性:
「あの人だったらしっかりやってくれると思うのでいいと思います」

 今井さんは無所属の自民党推薦での立候補を予定していて、多治見市選挙区ではこのほかに、自民党・新人で元記者の友江惇(36)さんと、無所属・新人で会社員の判治康信(46)さんがすでに表明しています。