2月5日に投開票された愛知県知事選挙では、現職の大村秀章さんが4選を果たしました。物価高や子育てへの支援策が求められる中、どのような舵取りを考えているのか、大村さんに聞きました。

 愛知県知事選挙としては過去2番目に多い6人による戦いを制し、4選を果たした大村秀章さん(62)。主要政党からの推薦を得て組織票を固めたうえ、県内全域を隈なく回って支持を呼びかけました。

 結果は、投票した人のおよそ3分の2に当たる145万票余りを獲得しました。

 圧勝から一夜明けた6日朝、大村さんは勝利を報じる新聞に目を通し、喜びを新たにしました。

大村秀章氏:
「大変大きなご支援をいただいたということの重みをしっかりかみしめております。いただきましたご支援を、具体的な政策の実行実現という形でしっかりやっていきたい」

 4期目を迎える大村県政。5日、投票所の出口で有権者300人にアンケートを実施したところ、新知事に期待する政策として最も多かったのが物価高騰への対策で、次いで子育て・教育の支援策でした。

 有権者の関心の高い課題について、5日夜、当選を決めたばかりの大村さんを直撃しました。

 まず、有権者の関心が最も高かった「物価高騰」への対策について、今生活が苦しい人への支援と、働く人の賃金アップに向けてどう取り組むか聞きました。

大村秀章氏:
「特に住民税非課税の世帯の方への支援金だとか、子育て世帯への支援金、これも昨年から今年にかけて支援をさせていただいておりますので、引き続きしっかり取り組んでいきたい」

 賃上げに向けた対策については、企業が生産性や付加価値を上げるための後押しをすると答えました。

大村秀章氏:
「やはり生産性を上げて新たな付加価値をつくって、それを賃上げの財源にしていくことは必要ですから、そうした意味では企業産業を強くする、そうしたものを後押ししていきたいと思います」

 子育て支援では、保育所の拡充や保育士、学校の教師の人手不足解消に向けた手立てについて聞きました。

大村秀章氏:
「(保育士や教員の)働き方改革をやっていく。長時間労働の是正、教員の多忙化解消、それは幼稚園・保育園の教職員の皆さんも一緒だと思います。費用面については、行政の公的価格がありますので、それを上げていくためにしっかりと働きかけていきたいと思います」

 選挙戦では、ジブリパークのオープンや新型コロナ対応といった3期12年の実績をアピールし、有権者の支持を得た大村さんですが、かつて「盟友」と呼ばれた名古屋市の河村市長はこう注文を付けています。

河村名古屋市長:
「一番最初の、大村さんと僕が一緒に出たやつ(ポスター)です。ここに県民税10%減税とはっきりと書いてありますわ。県民税10%減税やってちょーと、初心忘るべからず。まあトリエンナーレみたいな独断独裁みたいなことはやめてちょうだいと」

 今回の愛知県知事選挙の投票率は36.43パーセントで、前回を僅かながら上回りましたが、大村さんは得票数を30万票余り減らし、過去4回の選挙で最少でした。

大村秀章氏:
「コロナ禍の中での国民の皆さまのフラストレーションや不満、抑うつされた気分が、こういった選挙の時に固まった批判票という形で出てくるということはあるんじゃないかと思います。いただいた選挙の結果はしっかりと受け止める」

 これからの4年間、ジブリパークの拡充やアジア競技大会の開催、リニア中央新幹線開業を見据えた街づくりなど、テーマが山積している愛知県。大村さんの「実現実行」の力に期待がかかります。