“ほぼ具おにぎり”は客殺到…全国の同業者も注目のローカルスーパー『やまひこ』勢い支えるカリスマ女性店員
愛知県尾張旭市のスーパー「生鮮館やまひこ」は連日、開店前から客が押し寄せる人気店だ。人気の理由はカリスマ女性店員が作る惣菜で、思わず驚くアイデアが満載だ。
■人気の理由は「タップリすぎる具」…県外からも客が訪れる「生鮮館やまひこ」
いつもオープン前から沢山の人が並ぶ、ローカルスーパー「生鮮館やまひこ」。
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愛知県を中心に10店舗を展開するローカルスーパーだ。
その「尾張旭店」は、週末には100人をこえる大行列ができる。
開店と同時に、客が目指すのは惣菜コーナーだ。地元だけでなく遠方からもファンがやってくる。
女性客:
「豊川市から」
別の女性客:
「浜松から来ました」
また別の女性客:
「岐阜です、美濃加茂市です。(魅力は)テーマパーク感」
女性客:
「おもしろいから」
女性客:
「ワクワクする」
一番の特徴は、商品の中身がはみ出るほど具がタップリ入っていることだ。
「お楽しみ弁当フェス」は、豪華なおかずがはみ出さんばかりに詰め込まれている。
食品の値上げが相次いでいるが、この店には活気が溢れている。その勢いを支えているのは…。
女性客:
「インスタを見て、おおたさんのインスタが楽しいので…」
女性客:
「お惣菜コーナーの、おおたのりこさんという方がインスタグラムをあげてらっしゃって」
インスタグラムの“おおたのりこ”さんのアカウント。
毎週土曜日に次の週のメニューがアップされ、これを見て、客は店を訪れるという。
太田典子(おおた・のりこ 44)さんは、惣菜部のチーフで、20人のスタッフをまとめている。
2018年頃から、次々と斬新なメニューを生み出し、商品に関する全てを担当している。このスーパーのヒーロー、まさしくスーパーヒーローだ。
惣菜コーナーの横には、カフェもあるが、メニューに驚かされる。
女性客:
「すてきでしょう」
太田さん:
「みなさん楽しみに来ていただいているので、期待にこたえたい。喜んでいただきたいし、楽しんでいただきたいし、手間は惜しまないですね」
太田さんが勤めている尾張旭店の総菜コーナーでは、日替わりの惣菜を“フェス”と銘打ち、ワクワク感を演出。
ユニークなネーミングとカラフルなポップで、まるで「惣菜のテーマパーク」といった感じだ。同業者からも注目を集め、全国から視察が来るほどだという。
この人気のメニューは全て太田さんが考える。ノートにはアイデアがびっしり書かれていた。
『おかずをすきまなくぎゅうぎゅうにつめる』とも書かれていた。
太田さん:
「前回の弁当を見て、おかずを隙間なく詰めたらもっときれいに見えたんじゃないかと気づいたんで、忘れないように書きました」
■飛騨牛は大赤字…季節に合わせた12種類が並ぶ「ほぼ具おにぎり」は「どこから食べても具」
毎朝5時半に出社し、デスクワークと食材のチェックを終えると、7時には惣菜作りを始める。レシピの確認、盛付けのチェックなど全てを担っている。
この日の日替わり企画は、人気の高い「ほぼ具おにぎり」。ご飯にたまご焼きを乗せ、その上に乗せるメインのベーコンの大きさが普通じゃない。
厚さ1.5センチの特大ベーコンをそのまま握る「ベーコン玉子」。「やまひこ」のおにぎりの中でも特にファンが多い逸品だ。
太田さん:
「ベーコンって薄いのよく食べるじゃないですか。厚切りってうれしいじゃないですか。厚切りテンション上がりますよね、かみしめるたびに」
「ほぼ具おにぎり」のコンセプトは、具でご飯を見えなくすること。上質な飛騨牛の甘辛煮を具材にしたおにぎりも、ご飯をたっぷりの肉で贅沢に覆っている。
太田さん:
「食べたくないですか、『もっと食べたいのにもうない』みたいな。おにぎりも、どこから食べても具って夢じゃないですか。目をつぶって食べても、常に具が入っている。嬉しくないですか」
これだけ具がのっていて、1個376円だ。
太田さん:
「どこかじっても飛騨牛。飛騨牛は大赤字です」
大きなエビ天を2本使ったものや…。
脂がのった立派な塩サバがドーンとのった物も。
季節に合わせた12種類のおにぎりを毎回500個ほど揃えている。
近ごろの食材高騰で少し値段を上げたが、具の量は減らしていない。
■インスタで最新情報を発信 「ほぼ具おにぎり」には客が殺到
おにぎりを陳列し終えた太田さんが、スマホを手に取った。
太田さん:
「(スマホで撮影しながら)ベーコン、鮭イクラ、海老、肉巻き、明太子…12種類です」
太田さん:
「これ、今からインスタグラムにあげるやつです。ほぼ毎日やっています」
この日のオススメをファンに知らせる。
<インスタグラムの映像>
「おはようございます。本日、ほぼ具おにぎりで~す。穴子、ベーコン、鮭イクラ、海老、肉巻き、明太子…」
朝の最新情報を発信すると、平日にも関わらず開店の1時間前から50人程の行列ができていた。
午前10時に開店すると、客がカゴを手に「ほぼ具おにぎり」を目指して一直線に惣菜売り場へ。次々と手に取っていく。
女性客:
「1人何個やったっけ?5個?」
女性客:
「いろんな種類が楽しめる。なに食べてもおいしい」
女性客:
「今日、みんなで公園で遊ぼうって言っていて、どれがいいかなと思って選んでいたんです。どれもおいしそうだから、どうしようかと。買っちゃうね、テンション上がっちゃう」
別の女性客:
「自分のところにはないから、遠くから来ています。安城から。ワクワクする」
また別の女性客:
「豊川市から来ました。具がたくさん、おいしい」
男性客:
「楽しいですもんね、やっぱり。安くて美味しいものが食べられればいいかなと」
太田さん:
「ほっとします。本当にありがたいですよね。いろんなスーパーがある中で、並んでまで、走ってきてくれることはないと思うんですけど、嬉しいですよね。自分が考えたものをみんなで一生懸命作って、それをみなさんが嬉しそうに選んでくれたり、『おいしかったよ』と言っていただけること、なんて最高なんだろうって。すごく嬉しかったから、同じ気持ちを共有したいというか味わっていただきたいという思いが強いですね」
太田さん:
「昨日作った物よりも少しでもおいしく出せる様に、日々考えておいしいものを作るってことが、一番大事にしているところです」
2022年11月16日放送