愛知県の知多半島を中心に展開するご当地スーパー「マルス」が2022年11月、美浜町に新店舗をオープンしました。新鮮な魚介類やお値打ちな野菜、激安の弁当を揃え、地域の人たちから支持されています。

■「新鮮でこれだけ安いのはあまりない」と客からも好評…地域最安値を目指す知多半島の「ご当地スーパー」

 愛知県東浦町(ひがしうらちょう)に本店を構え、知多半島を中心に8店舗を展開するご当地スーパー「マルス」。

【動画で見る】弁当は「利益度外視」…愛知・知多半島で人気のご当地スーパー『マルス』物価高の中で目指す“地域最安値”

2022年11月末、美浜町(みはまちょう)に9店目を出店しました。周辺に食品スーパーが少なく、住民の生活基盤を守るためにもと出店を決めました。

1月14日、土曜日。朝7時に店内を覗くと、1時間後の開店に向けた準備の真っ最中。

大量のキャベツをうず高く積んでいたのは、中武良基(なかたけ・よしき)店長です。

店長の中武良基さん:
「きょうのイチオシの野菜は、愛知産のキャベツ。大玉サイズを1玉税込み106円で販売させていただきます。身がしっかり詰まっていて、シャキシャキ感があって甘みがあって、非常に美味しいキャベツです」

入口からすぐの場所に、この日の目玉・愛知産のキャベツ1玉106円(※取材時の価格)を並べました。

その隣には、大きな大根。1本84円(※取材時の価格)で、こちらもお値打ちです。

中武さん:
「仕入れを担当者がしっかり業者と話し合って、地域最安値を目指してこの価格で販売しております」

マルスでは、全店で大量に仕入れることで価格を抑え、地域最安値を目指しています。

年末年始に高騰した、旬の「白菜」(ハーフサイズ139円 ※取材時の価格)や…。

ほうれん草(1袋106円 ※取材時の価格)などは比較的安定供給され、価格も落ち着いているといいます。

この日はフルーツにもお得な商品がありました。

中武さん:
「本日、イチゴを大変お買い得に販売させていただいています。こちらも相場よりかなり安く販売しています」

イチゴは、1パック378円(※取材時の価格)。一般的な相場よりも、100円ほどお値打ちだそうです。

朝8時、開店と同時にお客さんがキャベツ売場へ向かいました。

女性客:
「新鮮でこれだけ安いのはあまりないと思います。他のとこだと、半分でこの値段(106円)よりも高いくらい」

男の子:
「安いと思います。生活にも助けになるので、たくさん来ます」

中武さん:
「今日、大玉の良いキャベツが入りました。通常価格の半額で販売しております」

中武店長も自ら売場に立ってPR。次々とキャベツが売れていきました。

中武さん:
「大根お買い得ですよ!」

女性客:
「調味料にしろ何にしろ、値段は上がっているので、(価格を)下げてもらえるのなら消費者としてはありがたい、助かるので」

■他店との差別化のためにあえて「日本海の魚」を店頭に 対面販売で丁寧に説明も

 マルスの大きな特徴は、魚介類の品揃えです。

中武さん:
「見てください、(京都の)舞鶴漁港から産地直送で鮮度抜群な魚を仕入れているんですが、日本海の魚をメインに販売しております」

京都の舞鶴港で水揚げされた魚をトラックに積み込み、開店時間に合わせて店舗に届くよう毎日運んでいます。

鮮魚担当の店員:
「これヒラメですね。生きているので刺身にするのがいいですね」

脂の乗ったハマチに…。

アジも。どれも鮮度は折り紙付きです。

この日は他にもサザエや生かきなど、約15種類を仕入れていました。

「マルス」では、この時期が1年で1番多くの魚が店頭に並ぶといいます。

鮮魚担当の店員:
「寒い時期のブリは旬じゃないですか。だから脂が乗っていて美味しい。しっかり丸くてパンパンになっていますので、めちゃくちゃお薦めです。1匹7~8キロくらいのブリなんで…。全然鮮度が違うんです、名古屋で買うのと。舞鶴から直接来るというのもあって、鮮度は間違いないです」

舞鶴産の「天然ブリ」は1匹7560円(※取材時の価格)。

同じく舞鶴産の「ヒラメ」は、1匹3240円(※取材時の価格)。

大きな「ハマチ」は1匹1620円(※取材時の価格)。

兵庫産の「タチウオ」は1匹540円(※取材時の価格)で販売されていました。

激安というわけではありませんが、どれも魚のプロが目利きした自慢の品ばかり。

鮮魚担当の店員:
「これカワハギです。鮮度も抜群で、肝がパンパンに入っていてめちゃくちゃおいしいんですよ、煮付けとか。鮮度がいいので、お刺身でもいけます」

鮮魚担当者のこの日のお薦めは、「カワハギ」(1匹486円 ※取材時の価格)。上品な甘みのある白身が特徴です。

鮮魚担当の店員:
「脂が乗っている魚ではないですけど、肝がパンパンで、本当に旬で…」

魚のプロも思わず唸るほど新鮮なカワハギは、1.5匹分の身と肝がたっぷり入って1パック1383円(※取材時の価格)。プリプリの身に、濃厚な肝が絶妙です。

切り身では、「スズキ」が1パック735円(※取材時の価格)。

高級魚「ハタマス」が1パック1707円(※取材時の価格)でした。

鮮魚担当の店員:
「さっき〆たてで、生きていた魚なんで鮮度は抜群です」

女性客:
「じゃあ、ヒラメにしようかな」

鮮魚担当の店員:
「はい、では大き目なやつを選んで…、こちらおろしますので、ちょっとお待ちください」

対面販売で丁寧に説明し、要望を聞いて無料で下処理も。調理法なども教えてくれます。

女性客:
「刺身にしたり、煮付けにしたりして食べます。結構珍しい魚もあったり、いろいろ見られて、子供たちも見るだけでも楽しいって」

別の女性客:
「これ、魚安かったので、タチウオを1匹500円で作って(おろして)もらって。煮魚用です」

また別の女性客:
「地元だもんで(よく来る)。近くだもんで」

男性客:
「日本海で獲れる魚があるので、こっちにない魚も多いので」

すぐ近くに伊勢湾や三河湾があるのに、主として日本海の魚を扱うのには理由があるといいます。

中武さん:
「この辺りの地の魚も取り扱うことはできるんですけど、他のお店との差別化を図るために、あえて日本海の魚をメインに販売しております」

日本海の魚を看板商品にすることで、店の知名度アップを狙っていました。

舞鶴港は魚種も多く、安定的に仕入れができることも決め手になったといいます。

■利益度外視で販売するお弁当 店長「物価高で大変な中少しでもお値打ちなものを…」

「マルス」の名物は、野菜や魚だけではなく、お弁当もあります。

「唐揚げ」や「ハンバーグ」など5種類で、値段は1つ322円。

中武さん:
「こちらは利益度外視で、儲けというよりかはお客さんに来ていただく、来店理由になってほしいという目的でやっています」

弁当は毎朝、店で手作りしています。ご飯は山形産のブランド米・雪若丸。粒が大きくしっかりした弾力が特徴で、冷めてもモチモチ感が続くので、弁当にもピッタリだといいます。

1番人気は鮭にから揚げ、ちくわが入った「鮭弁当」。この内容で322円です。

中武さん:
「今、本当に物価高で食費など大変な中でも、少しでもお客さんにお値打ちなもので買い物を楽しんでいただきたいという思いでやっております」

「名物弁当」はお客さんからも高く評価されています。

男性客:
「弁当2つですね。安いですね、普通ではたぶん買えないです」

女性客:
「仕事もしているので、帰って来てから安くて温かいご飯で提供してくれているので助かります」

「マルス」には、物の値段が上がる中、生活必需品となる野菜や魚、肉などは、できるだけ値打ちに提供したいという思いがあります。

中武さん:
「地域密着型のスーパーですので、地域のお客さんに喜んでもらえる、必要とされる、そんなスーパーになっていきたいと思っています」

2023年1月17日放送