老舗の買い取り店「コメ兵」には、不要になった宝飾品やブランド品を売却したいという人が次々と訪れます。買取りの様子に密着しました。

■“生粋のシャネラー”の女性は昔のシャネルを売却

「いらんモノはコメ兵へ売ろう」というキャッチコピーで知られる、名古屋市中区大須が本店の「コメ兵」。

【画像で見る】“生粋のシャネラー”20年前の品々の査定は…老舗買取店『コメ兵』に密着 今ブランドバッグは小さめが人気

名古屋市内に17店舗、全国に100店舗を展開する、ブランド品や宝飾品買取の老舗です。名古屋市に住む60代の女性が買取の窓口を訪れました。

女性(60代):
「そんないいものを持ってきていないので…。使えないというか、もうこんなものを持って歩けるような歳じゃないので」

持ち込んだのは、20年前に約15万円で購入した、シャネルのロゴが目立つ「カンボンライン」のバッグです。長年愛用していたといい、型崩れやスレなど少し使用感があります。

女性(60代):
「その時は欲しくて買ったんですけど、やはりこんなシャネルシャネルしたやつは…今そんなちょっとしたデザインがやっぱりいい」

店員:
「やっぱり、年齢とともに変わってきますね」

女性は生粋の“シャネラー”で、バッグの他にもシャネルのアクセサリーを持ってきました。ブラックとマルチカラーの指輪2つに、イヤリング、大きなロゴが特徴のネックレスと、全てシャネルです。

店員:
「大事にされていて、あまり着けられなかったような…とっても綺麗ですもんね」

女性(60代):
「次のが出ると、これはしまい込んで」

20年前に買ったシャネルのバッグやアクセサリー、合計5点の査定です。

店員:
「そちらのおカバンでいらっしゃいますね、とても人気なモデルでございます。こちらで4万円でございます」

そして、マルチカラータイプで、綺麗な状態の指輪は1万5千円。

ブラックの指輪が1万円。

イヤリングとネックレスが合わせて2万5千円。

5つで合計10万円になりました。

女性(60代):
「もう満足です。昔買ったものだったので、こんなにいい値で買っていただけるとは思ってもいなかった」

女性はこのお金で、シャネルの新しいアイテムがないか見に行きたいと話していました。

■手持ちタイプのルイ・ヴィトン旅行バッグは予想外の安値に

 続いて窓口を訪れたのは、名古屋市の50代女性です。

店員:
「旅行用のカバンですか?」

女性(50代):
「海外に行くために買ったんですけど」

持ち込んだのは、15年前におよそ16万円で買ってから4回ほどしか使っていない、ルイ・ヴィトンの大きな旅行バッグです。

店員:
「全然使っていらっしゃらない、綺麗ですね。後ろのこのあたり、ゴムが入っているんです。プラスチックとゴムが混ざった素材なんです。削れているわけではなくて、経年劣化。置いておくだけでちょっと劣化が始まるようなものがあるんです。使っていない方特有の…」

店員:
「リスクを踏まえつつ、こちらで2万円でございます。買われた時とても高かったと思うので、びっくりされると思うんですけど、今、旅行される方のほとんどが手持ちのタイプの旅行カバンを売られて、キャリーに買い替える方が非常に多くなってしまっているので、そのあたりもちょっと関係してくるかなと」

想定外の安値にショックを受けつつも、女性は旅行バッグを手放すことにしました。

女性(50代):
「旅行カバンで(旅行に)行く予定もないので、このまま家に持っていてもさらに価値が下がるかなと思って手放しました」

 今、ブランドバッグはより小さいタイプの方が人気があります。

例えばエルメスのバーキンでは、大きいサイズのバーキンは定価が176万円で販売価格が260万円とおよそ80万円のプレミア。

しかし小さいものは定価が133万円のところ、販売価格は330万円。

小さいタイプほど上げ幅が大きくなっています。

■両親や祖母の思い出が詰まったアクセサリーを持ち込んだ女性「赤ちゃんが産まれるので」

 20代の女性が持ってきたのは、金の指輪3つとプラチナのネックレス。ひと昔前のデザインのようです。

店員:
「お母さまとかおばあさまのものですか?」

女性(20代):
「そうです」

店員:
「結構、昔のデザインで…」

祖母からもらったというネックレスです。

3つの指輪は、女性が生まれた時に父親が母親に送ったアクアマリンの指輪が1つ。

店員:
「結構思い出が詰まっていますね」

そして女性の母親が使っていたホワイトゴールドの指輪に…。

初めて親に買ってもらったアクセサリーの指輪。コメ兵で買ったといいます。

店員:
「初めての…ファストジュエリー」

女性は出産を控えていて、家を整理するのに合わせて、ジュエリーを売却しようとしていました。

買い取り金額はいくらになるのか。1つ目のアクアマリンの指輪は…。

店員:
「アクアマリンは色石で大きさもありますが、色石って正直金額がつきにくいところです」

アクアマリンの指輪は1万3000円。

そしてホワイトゴールドの指輪は、中心にダイヤモンドが0.2カラットあり、3万2千円。

母親に初めて買ってもらったアクセサリーの指輪は…。

店員:
「こちらが18金のピンクゴールド、1万2500円になります」

ネックレスが8万円で、合計13万7千5百円を提示されました。

提示された査定額に女性は…。

女性(20代):
「すごく迷っています。眠っているのももったいないかなと思って」

店員:
「そうですね、いつか売るって考えるのであれば、金相場が高い今が正直売り時。ただ、思い出もかなり詰まっているものなので、全て今が売り時ですよとは言わないです」

女性は数分間固まったように考え込み…。

女性(20代):
「お願いします」

店員:
「ありがとうございます」

女性は思い出と母親への報告のため、アクセサリーの写真を撮り、店を後にしました。


2023年2月1日放送