コロナ禍が落ち着き、東海地方の観光地も海外からの観光客が増えています。賑わいが戻ってきた岐阜県高山市で、外国人観光客が旅を楽しむ様子を取材しました。

■民芸品やお土産も買える「宮川朝市」は外国人にも大人気

 午前8時。岐阜県高山市の「宮川朝市」には、大勢の外国人観光客の姿がありました。

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イタリアから来たという男性は、朝市には馴染みがあるといいます。

イタリアから来た男性(日本語訳):
「ローマの中心地はたくさんこういう朝市があって、地元の人にも人気だよ。日本も歩いていたらいろんな屋台とかがあって、似たものを感じるね。イタリアは果物やジャムとか魚など食べ物がメインだけど、ここの朝市は民芸品とかお土産とかが売っているから面白いね」

気軽に買い物ができる朝市は外国人にも好評で、温もりを感じる高山の木を使った民芸品も人気です。

アメリカのサンフランシスコから来た女性(日本語訳):
「サンフランシスコでは、みんなサスティナブルな生活を送っているんです。リサイクルもそうだし、使っている材料にもこだわっているんです」

アメリカのサンフランシスコでSDGsな暮らしを送っているという女性は、民芸品を品定めしていました。

サンフランシスコから来た女性(日本語訳):
「都会よりこういうローカルな街で、民芸品を買って帰ろうと思います」

宮川の環境の良さを気に入った外国人もいました。

イギリスのロンドンから来た男性(日本語訳):
「川がすごくきれい。魚も見えるし、桜も見たけどとても素敵だった」

ロンドンの川よりも宮川は美しいといいます。

ロンドンから来た男性(日本語訳):
「(川は)あるけど…とても汚い」

ロンドンから来た男性の妻(日本語訳):
「こっちの方が断然きれい」

観光名所「中橋」の下を流れる宮川は、泳ぐ魚の姿がはっきりわかる透明度です。

日本の美しさを海外の人に褒められると、誇らしい気持ちになりますね。

■「今日だけで何回『美しい』って言うかな」“リトルキョート”を楽しむフランス人

 午前9時半。JR高山駅に、この日最初の特急列車が到着しました。

この8か月で世界中を旅している、フランス人で医者のアリさん(38)。

フランスから来たアリさん(日本語訳):
「高山は『リトルキョート(小京都)』だよね。古い建物や自然を満喫したくて、高山を選んだよ」

「リトルキョート」=「小京都」という言葉を知っていました。この後どこへ行くつもりかを聞いてみました。

アリさん(日本語訳):
「考えていないよ。ノープラン。ホテルも予約していないよ。今夜はここで泊まるかもしれないし、他の町にいるかもしれない」

スマートフォンで手早く調べ、決めた次の行き先は「高山陣屋」です。

アリさん(日本語訳):
「典型的な日本の風景ですね。(写真を撮って)ナイス!すごくいいです。実際にここに人がいたことを想像したり、その人たちがどうやって外を眺めていたかを想像するのが好きなんだ」

アリさん(日本語訳):
「とても静かですね…。鳥の鳴き声しか聞こえてこない。僕も静かにしないと(笑)」

自然の奏でる音に、しっとり耳を傾けます。

アリさん(日本語訳):
「気に入ったよ。ここに泊まろうかな(笑)。今日だけで何回『美しい』って言うかな。1つ目の行き先としてはとてもよかった。残りの観光も楽しみます」

アリさんは、次の日から白川郷や日本アルプスへ。

静かで壮大な日本の自然を満喫したようです。

■「新鮮でさわやかな風味」本場の日本酒に魅了されたオーストラリア人

 午後1時。日本酒の店を訪れていた3人の男性がいました。

オーストラリアからきたという3人。3人のうち2人は親子で、2022年の11月にも高山に来たばかりだといいます。

オーストラリアから来た父親(日本語訳):
「ここに初めて来た時とても気に入ったんだよ。ニッポン、スキですね」

日本酒の飲み比べができる店を気に入り、今回は友人を連れて来ました。

オーストラリアから来た父親:
「ナイス」

オーストラリアから来た息子:
「スゴイ?」

オーストラリアから来た父親:
「Sweet」

オーストラリアから来た友人(日本語訳):
「かなり好きな味だね。口当たりがとても柔らかいよ」

本場の日本酒を飲むのは初めてという友人の男性。気に入ったようで、他の酒も試飲します。

オーストラリアから来た友人(日本語訳):
「とても新鮮で、さわやかな風味です。お酒は前もオーストラリアで飲んだことあるけど、絶対ここに来て飲んだ方がいい」

オーストラリアから来た息子(日本語訳):
「オーストラリアで日本酒を飲むと結構高いし、味も全然ちがう。こうやってその場で飲めるのは雰囲気もいいね」

オーストラリアから来た友人(日本語訳):
「連れてきてもらえてよかった」

■香港から大ヒット映画「Your Name.」の“聖地巡礼”に

 高山の古い町並みで香港から来た夫婦が、着物を着て写真を撮っていました。ハーマスさん(45)とケリーさん(38)です。

香港から来たケリーさん(日本語訳):
「日本の伝統的なライフスタイルが好きで、着物を着たかったの」

香港から来たハーマスさん(日本語訳):
「似合っているでしょ?」

結婚10周年のお祝いで香港から旅行に来たといいます。ケリーさんの妹、モニークさん(30)とその恋人のテレンスさん(30)も一緒です。

ハーマスさん(日本語訳):
「この2人は、来年結婚するんだ」

モニークさんとテレンスさんは高山へ来る前に、上高地で結婚式の前撮りを済ませていました。

ハーマスさん(日本語訳):
「コロナ禍で旅行できなかったし、日本を訪れるのは今回が初めてなんです」

コロナの影響で待ちに待った日本への旅行は、家族になる4人の幸せな旅になりました。なぜ高山を行き先に選んだのか、理由を聞きました。

テレンスさんが見せてくれたのはスマホの画面。「Your Name.」と書かれています。ユアネーム=『君の名は。』です。

高山も作品の舞台になったといわれる大ヒット映画は、香港でも大人気で、今回はその「聖地巡礼」も兼ねているといいます。ヒロインが巫女を務める神社のモデルになったといわれる日枝神社(ひえじんじゃ)を訪れました。

到着すると早速、写真を撮ります。

ケリーさんの妹・モニークさん(日本語訳):
「私たちも作品の中に入り込んだみたい」

ケリーさん(日本語訳):
「主人公が階段を降りるシーンがあるでしょ?それと同じ景色。素晴らしいわ」

日枝神社で初めて絵馬も書きました。

健康と安全な暮らしへの願いが込められていました。

■ヨーロッパからも続々と…インバウンドが戻ってきた観光地・高山

 高山市の餃子専門店も外国人観光客で賑わっていました。

4人組:
「カンパーイ!!」

オランダ人の女性(日本語訳):
「私たちもこの人たちも、ハネムーン中なの」

店主:
「テーブルシェアされて仲良くなっちゃった」

スイス人の女性(日本語訳):
「ずっと日本に行きたかったけど、結婚とコロナ禍が重なっちゃって。だから、コロナが落ち着いたら絶対に行こうって」

デンマークから来た母子もいました。

デンマークから来た男性(日本語訳):
「僕が最近、専門学校を卒業したお祝いで、母さんがこの旅行をプレゼントしてくれたんです。本当に楽しい」

男性の母(日本語訳):
「友達から『高山よかったよ』って、高山をオススメされたの」

デンマークから来た男性(日本語訳):
「東京とかは人の流れとかも早くて忙しないけど、高山は落ち着いていますよね。建物も素敵だし、特に温泉ですごくリラックスできました」

インバウンドが戻ってきた観光地・高山。

日本を愛する世界中の「笑顔」が集まっていました。


2023年5月4日放送