世の中で深まる理解に法整備追いつかず…『同性カップルの結婚』司法判断分かれる中で当事者がぶつかる“壁”
同性カップルの結婚について、司法の判断が分かれています。「法律上の家族になれない」ことで、当事者は様々な壁にぶつかっています。
住居については、公営住宅では多くの自治体が同性カップルをNGとしています。民間の賃貸でも断られることもあり、一緒に住むことだけでもハードルが高くなっています。
命の現場・医療でも「家族ではない」という扱いをされ、付き添いや病状説明を受けられないことがあります。
そして、パートナーが亡くなった場合の相続も原則認められていません。
法の下の平等といえるのか。司法の判断も割れています。
札幌地裁は2021年、同性婚が認められないのは憲法で定める法の下の平等に反するとして「違憲」と判断しました。
2022年、大阪地裁では「合憲」との判断を出しました。「異性間の婚姻の目的は、男女が子を産み育てる関係を社会が保護する制度」で、同性婚は議論の過程にあるとして、憲法違反ではないとしました。
東京地裁は「違憲状態」の判断です。様々な「壁」で不利益を受けてしまう以上、同性パートナーと家族になるための法制度がないことは、憲法違反の状態であるという判断です。ただ、法律を作るやり方は「同性カップルの婚姻」について定める方法だけではないため、憲法に違反しているとはいえないという判断でした。
そして2023年5月30日の名古屋地裁は、最も踏み込んだ判決でした。
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名古屋地裁の判断は「違憲」です。同性婚を認めないことは、法の下の平等を定めた憲法14条、さらに婚姻の自由を定めた憲法24条に違反していると判断。そして「同性愛者を婚姻制度から排除することで大きな格差を生じさせ、何ら手当てがなされていない。もはや無視できない状況」であると強い言葉で指摘しました。
司法の判断は割れていますが、FNNの世論調査では約7割が同性婚に「賛成」という結果でした。世の中の理解は深まっていますが、法整備が追い付いていない現状があります。