被害額は数千万円で廃業もよぎる…記録的豪雨で浸水被害受けたバラ農家「今は本当に前向きに」広がる支援の輪
6月2日の記録的豪雨で、農業用ハウスに水が流れ込み、数千万円もの被害が出て廃業も頭をよぎったという愛知県豊川市のバラ農家に、温かい支援の輪が広がっています。
2日、愛知県などを襲った記録的豪雨で、豊川市では豊川が氾濫し、周辺の農家にも大きな被害が出ました。
バラ農家の佐久間さん:
「見ての通りハウスの中がぐしゃぐしゃになってしまって」
豊川沿いでバラ農家を営む佐久間栄次さん(38)の農業用ハウスは、2m以上の高さまで浸水。
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ハウス3棟分のバラが枯れてしまい、2400万円以上の被害が出ました。
佐久間さん:
「朝起きて『やっぱ頑張ろう』と思う時と、ここに見に戻ってきて『やっぱこれはもう駄目なのかな』と思う時と」
あの日から毎日直面する現実。そうした中、10日にハウスを訪ねると、農園の前には多くのボランティアの姿がありました。
愛知県のボランティア団体や地元の高校生などおよそ70人が集まり、被害に遭ったバラの運び出し作業を手伝いました。
ボランティア:
「知人が参加するということで誘ってもらって。まだ水分を結構含んでいるので、結構重かったりする」
別のボランティア:
「何とかほんの少しですけど、支えになれればなと」
佐久間さんの同級生で、市内でメロン農家をしている今泉直弘さん(38)もボランティアに参加しました。
同級生の今泉さん:
「小学校からなので、もう30年来くらいの付き合いになりますね」
同級生の今泉さん:
「ちょっと大変な状況だったので、同級生に声をかけさせてもらって。10名近くは集まってくれたので」
今泉さんの呼びかけで、多くの同級生が集まりました。
同級生:
「知識がなくても、力さえあれば何か手伝うことができる。1人でも多い方がいいということだったら、何か手伝えればなと思いました」
絶望の最中にいる佐久間さんですが、自然と表情に笑顔が戻ります。
同級生の今泉さん:
「正直最初はもうぼう然としたかたちで、気持ちも落ち込んじゃっていたので。そこから何回か顔合わせて会話していくうちに、だんだん表情も晴れてきたので、やっぱり顔を合わせていくのが大事なのかなって」
みんなが力を合わせたことで、荒れ果てていたハウスは、およそ6時間できれいに片付きました。
佐久間さん:
「これ以上、農家を続けられないのかなと本当に思っていたんですけど、今日こうやって皆さんの力でまさかこんなに片付くとは思っていなくて、本当にありがとうございます」
復興に向け、スタートを切ることができた佐久間さん。まだ先は見通せないでいますが、これからも農家を続けていくことを決意しました。
佐久間さん:
「あの時はもうダメだなという気持ちしかなかったので、本当に今は前向きに考えられるようになりました。頑張って行くしかないので、頑張って行こうかなと思います」