“第9波の始まり”と見る医師も…じわじわと感染者が増加する新型コロナ 主流の変異株『XBB』の特徴とは
新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあります。「第9波」が始まったのか、医師や専門家に現状や傾向を聞きました。
新型コロナが「5類」となってから1カ月余りが経ちました。街ではマスクをするのも忘れてしまうほど慣れたという人もいましたが、身近で感染する人が増えてきたと感じている人もいました。
70代女性:
「(感染者が)増えてるでしょ。持病を持ってるから、年だし、自分はうつらないようにマスクしてようかなと思って」
20代女性:
「友達の周りとかも、ちょくちょくまたかかり始めているなって感じ。6月に入ってから多いかなと」
週に一度発表される、1医療機関あたりの感染者数も増加傾向にあります。
「第9波」が始まっているのか、医療現場で状況を聞きました。
小林院長:
「第9波は低調ながら少し始まりかけているのかなという気はしています。これからやってくるだろうなと、そういう気配は感じます」
“第9波の始まり”と話すのは、愛知県大口町のさくら総合病院の小林豊院長です。この病院で確認された感染者は、ゴールデンウィーク前は1週間に10人未満でしたが、直近では19人。やはりじわじわと増えているようです。
小林院長:
「大変だなという印象は、今のところまだないです。このさざ波が続くのか、この後に大きな津波が押し寄せるのか、それが正直読めないんですね」
現在、コロナの入院患者は軽症の1人だけですが、しばらくは専用病床を30床確保して、本格的な「第9波」に備えるといいます。
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小林院長:
「予め病床を確保しておかなければ、突然の大きな波にはやっぱり対処できない。(ウイルスが)強毒化したりとか、さらに感染力が強くなるということになると、医療の業界を脅かすような存在になると思っています」
名古屋市の衛生研究所では、市内の医療機関から検体を集め、変異株の調査をしています。
柴田微生物部長:
「一頃はBA.5が主流だったんですけども、それからだんだんとって変わってXBBが今増えています。そのXBBの中でも細分化していて、色んな株があります」
全国や海外でも主流となっているのが「XBB」です。特徴について聞きました。
柴田微生物部長:
「BA.5のように人に対して強毒性が無くなってきている、それが維持されている。最近の報告で、XBBの中でも1.16系統は結膜炎を起こす方が増えてきているという話はあります」
若い人では比較的軽症で済むことが多いものの、高齢者や基礎疾患のある人は注意が必要ということです。