狙いは“ルールの意味を考える事”…県立高校が期間限定で『校則廃止』生徒たちが気づく自由と個性のあり方
何十年も前に作られ変わらないままの学校の「校則」を見直す動きが、全国的に広がっています。岐阜市にある県立岐山高校は、生徒自身がルールについて考える機会にしようと、髪型や服装に関する校則を3週間、試験的に廃止しました。
岐阜市の県立岐山高校。教室には、パーカーにTシャツといった私服姿の生徒もいます。
しかし、校則では次のように定められています。
<岐山高校の校則>
「夏服は白のカッターシャツ」
「スカート、又はスラックス」
「髪は着色、脱色をしない」
「化粧等はしない」
求められているのは「清楚」「高校生らしさ」です。
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全国的に増えている「校則の見直し」。岐山高校でも、6月12日から30日まで、服装や髪形などに関する校則を試験的に廃止し、この期間に生徒自身が校則を考え直す機会としました。
早速、ほんのりと髪を茶色にした生徒がいました。
3年生の女子生徒:
「自分の好きなことができるので。清楚は嫌です。もっと自分らしく」
廃止期間も折り返しとなった10日目。生徒たちの服装を見ると、制服のまま、学校指定の体操着、Tシャツに短パンと、派手な生徒はいませんでしたが選択は様々です。
2年生の男子生徒(制服派):
「私服だと毎回自分で服を選ぶのが大変なんで」
2年生の男子生徒(私服派):
「カッターシャツは涼しいと思うんですけど、材質とか比べると薄手の生地の方が過ごしやすいなと思うので」
制服は着ているものの、髪の一部がピンク色の生徒もいました。取り外せる「エクステ」だといいます。
2年生の女子生徒:
「校則を停止しても、そんなに規律を乱すような事をしている人はいないし、皆ちょっと変えるくらいで。自由な髪型をしたいです」
メイクについて、女子生徒からはなるほどという意見も聞かれました。
3年生の女子生徒:
「大学生になった時に化粧は当たり前になってくるので、高校でもそれができるってなったら練習にもなるし」
女子生徒:
「頭ごなしに『髪染めちゃダメ』『メイクしちゃダメ』と言われて、『何でダメなんだろう?』って思っていたから、すごくいい体験だなって思います」
校則がないことでできることは増えましたが、感じたこともあるようです。
女子生徒:
「『いいな』と言ってくれる人もいるし、『高校生らしくないからどうなの?』みたいな目もあって。それなら校則があって、何も言われない方がいいかな」
意外にも「校則があった方がいい」という意見も聞かれました。学校が校則廃止中の生徒たちに求めるのは、そのルールの意味を自分たちで考えることです。
石神校長:
「学校というのは社会、小さなコミュニティですので、何でもかんでも自分たちが好き勝手なことをやっていいというものではないんですよ。そのラインみたいなものを、自分たちで考えて欲しいなと。禁止するというのは思考停止なものですから、何も考えなくてもルールに従っていればそれはもちろん楽なんですよね。楽なんですけれども、(将来の)思考力・判断力・表現力、その力を付けてほしい」
ルール、自由、個性のあり方について、生徒たちは今考えています。
2年生の女子生徒:
「自分の個性を出したり考えて動けるので。自分も成長できると思う」
この廃止期間を経て、岐山高校の生徒たちは校則の見直しを検討します。