63人が犠牲となった御嶽山噴火から、2023年9月で9年になります。多くの人が命を落とした登山ルートの一部のエリアが7月末に規制解除となるのを前に23日、遺族らが慰霊登山をしました。

 青空が広がった23日の御嶽山。愛知県一宮市の所清和さん(61)と妻・喜代美さんが、息子の最期の場所を目指します。

 息子の祐樹さん(当時26)、恋人の丹羽由紀さん(当時24)の命を奪った御嶽山の噴火。

【動画で見る】“最期の場所”ついに辿り着く…御嶽山噴火で多くの人命失われた登山ルート 規制解除を前に遺族が慰霊登山

 9年前の9月27日、行楽シーズンだったこともあり、58人が死亡、5人が行方不明となりました。

 中でも祐樹さんら多くの犠牲者が出たのが、9合目の「八丁ダルミ」から山頂付近。御嶽山では既に他の登山ルートで山頂まで行くことができます。

 避難シェルターの整備ができていないことなどから立ち入り規制が続いていましたが、7月29日に解除されます。

 解除の前に、遺族らの立ち入りが許可されました。

息子の祐樹さんを亡くした所さん:
「やっと今年、息子たちが登ったルートで行ける。やっと手を合わせられるなって」

 2人の最期の場所に辿り着きました。あの日履いていた靴、そして2人を思って育てたひまわりを手向けました。

所さん:
「(祐樹さんと由紀さんは)歩いてその足で戻ってきてないもんで。その(祐樹さんの)靴を履いて戻って、玄関から帰ってはじめて私の中の供養は終わり、1つのケジメだと思っています」

 噴火から9年。ようやく、祐樹さんの魂を迎えに行く事ができました。

所さん:
「自分の中でやったというか、やり遂げたというか。すごく、今までのモヤモヤがとれたという感じで。あとは下山して、無事に何もなく家に帰る事だけですね。長かったです、本当に長かったです」

※画像の一部は「山びこの会」提供