愛知県豊田市の老舗の味噌蔵で19日、「読書感想文」を書くための見学ツアーが行われました。

 愛知県豊田市にある創業96年の「のだみそ」。ここで子供向けに行われていたのは、読書感想文を書くための見学ツアーです。

 2023年の青少年読書感想文全国コンクールの課題図書には、味噌蔵が舞台となった『ライスボールとみそ蔵と』が選ばれました。

【動画で見る】課題図書のテーマが縁に…老舗の味噌蔵で「読書感想文を書くための見学ツアー」蔵の写真が作者の目にとまる

 この本は、味噌蔵の家に生まれた主人公・ジュンが、みそが大好きな帰国子女のクラスメイトを自宅の蔵に招いたことをきっかけに、家業に誇りを持てるようになる物語です。

のだみその4代目:
「テーマが味噌蔵ですし、読書感想文を書く子供たちの思い出に残る、楽しんでもらえるイベントができないかなって」

 本物の味噌蔵を見てもらいたいと企画したのは4代目の野田好成さんです。きっかけはSNSでした。

 のだみその蔵と表紙が似ていたことから写真をアップしたところ、作者の横田明子さんの目にとまり、とんとん拍子でツアーの開催が決まりました。

のだみその4代目 野田好成さん:
「作者さんと出版社の方に『こんなイベントを考えているんですけど、やっていいですか』って言ったら『全然やってください』と承諾を得たので。一枚(写真を)撮って投稿したことから、新しいつながりがどんどん広がったのは、うちみたいな会社としてはありがたいなと思っています」

<子供>
「こうじ菌が壁についているの?」

<野田さん>
「こうじ菌がどこについているかというと、こういう壁もそうだし天井、あとはさっき空の桶あったじゃん、桶の内側にも実はこうじ菌がついています」

 ツアーに参加した子供たちは、本物の味噌蔵に興味津々。最後は、蔵の味噌で作ったできたての味噌汁をみんなで美味しくいただきました。

小学4年生の女子児童:
「家で食べている味噌よりも濃い味がしておいしかったです」

小学4年生の男子児童:
「見学したことを書こうと思って、まだ(感想文を)途中で途切れているところがあるから、明日書ける」

 宿題が早く終わるのはもちろん、夏休みの思い出にもなったようです。

野田さん:
「(感想文を)書いた子が、もう一回ここに来て気持ちが変わったりとか、新しい感想が生まれたから付け加えて書こうかなとか、ちょっと書き直そうかなと言っていたのは、少し意味があったのかなと私も感じたのでうれしかったです。作っている人の顔とか思いを少しでもいいので想像してもらいながら、うちの味噌を食べてもらえると嬉しいなと思っています」