この時期、お昼は「そうめん」を食べる機会が増えますが、味に飽きたり、茹ですぎ・買いすぎで余らせてしまうこともあります。調べてみると、SNSでバズッた「茹でない」作り方や、簡単にできる「味変」、意外なオリジナルレシピがありました。

■揖保乃糸の売上額 東海3県が首都圏や近畿を上回る

 レシピ投稿サイトのクックパッドによりますと、2023年7月に調査したところ、夏休み中の料理は負担が増えるか?という質問に対して46.9%が「とても思う」、32.1%が「まあまあ思う」と答えました。

また、「特に負担に感じるのは?」という質問に対しては、「家の昼食」と答えた人が43.7%だったということです。

高級手延べそうめんで知られる兵庫県の「揖保乃糸」の調査では、そうめん全体で2022年3月から8月の間で1000人あたりの売上額が、首都圏が1万8581円、近畿が2万153円だったのに対し、東海3県は2万2122円と、高い傾向にあることがわかりました。

【動画で見る】バズッた茹でないレシピからフレンチトースト風まで…余らせた「そうめん」カンタン味変アレンジレシピ

揖保乃糸の担当者は理由について「名古屋ではお中元文化が根付いていて、1人あたりの単価が高いイメージ」と話しています。

■“そうめん”“ひやむぎ”“うどん”の違いは「太さ」

 そうめんは、機械製麺ではそもそも直径で呼称が変わります。1.3ミリ未満を「そうめん」、1.3ミリ~1.7ミリ未満を「ひやむぎ」、1.7ミリ以上を「うどん」と呼びます。
     
また、時々ある「色が違う麺」は、「ひやむぎ」であることをわかりやすくするために色が着けられています。

揖保乃糸の担当者によりますと、見分けがつきにくいため、ひやむぎにだけ色を着けて、そうめんと間違えないようにしていたということです。

色着きの麺は子供から大人気で、愛媛県には全部に色が着いた「五色(ごしき)そうめん」があります。

約300年前からあり、自然の食材で色が着けられていました、今は梅や抹茶などで色を着けていて、ほのかに風味も感じるということです。

愛知県にも全国に誇るそうめんがあります。安城市の間杉手延製麺所(ますぎてのべせいめんじょ)が作っている「和泉手延長(いずみてのべなが)そうめん」です。

寝かせて伸ばすことを繰り返すことで、コシとモチモチ食感が出ます。

最終的には3.6mもの長さになるため、「日本一長いそうめん」ともいわれています。

■SNSで6万超えるリツイート…そうめんは「茹でないで!」

 名古屋めし料理家のSwindさんが投稿したそうめんレシピのツイートが、6万以上リツイートされ話題になりました。その内容は「茹でないそうめん」でした。

「茹でないそうめん」の作り方は、はじめにしっかりと沸騰させたお湯の中にそうめんを入れます。

そうめんをいれたら軽く混ぜて、再び沸騰したら火を止めてフタをして、あとはゆでる時間と同じだけそのままにしておきます。

その後、ザルにあげて水をかけ、流水で軽く洗えば完成です。

この方法だとぬめりが少なくつるんとしたそうめんができ、作るときにも火で熱くないことがメリットです。

■火を使わず作るそうめん 使えるパスタのレンチンアイテム

 そして、火を使わずにそうめんを茹でる方法もあります。容器にお湯とそうめんを入れて電子レンジでチンし、水で冷やしてもみ洗いするだけで完成します。容器のひとつに、エビス株式会社が販売している「レンジでそうめん」という商品がありますが、ハンズ名古屋店でも取り扱っているということです。

■めんつゆアレンジで「味変」…緑茶や牛乳に炭酸水もマッチ

 そうめんを食べる日が続くと、味を変える「味変」もしたくなります。「ラク旨!無限そうめん」という本を出した、そうめん研究家のソーメン二郎さんが紹介しています。

ソーメン二郎さんによりますと、めんつゆと緑茶を1:1で割ると、お茶のアミノ酸がめんつゆに奥行きを出しておいしくなるといいます。お茶はペットボトルのもので問題ないということです。

めんつゆとジャスミン茶を1:1で、めんつゆと焼酎を割るレモン味の炭酸を1:1で、めんつゆと牛乳は1:0.5で割るとおいしいといいます。

■茹でたそうめんを簡単に味変…超お手軽な“簡単レシピ”

“味変”の簡単レシピはほかにもあります。ソーメン二郎さんがおすすめするのは「お茶漬けの素×めんつゆ(あごだし)」です。お茶漬けの素とめんつゆをかけるだけで出来上がりです。好みで大根おろしやサバ缶を乗せて具沢山にすることもできます。

塩味が増し、そうめんにぴったりの味になります。

クックパッドにも、そうめんの「簡単レシピ」が掲載されています。例えば「o38o」さんの、韓国のりで作る簡単そうめんです。韓国海苔にゴマ、そしてゴマ油をふたまわし分かけて、塩を少々に卵黄をのせて完成です。「5分でおいしいそうめんが食べられる」とすすめています。

「☆M.J1105☆」さんが紹介しているのは「悪魔的なそうめん」です。ツナ缶1缶にめんつゆを小さじ4、マヨネーズを大さじ2、おろしにんにく3~4センチ(なくても可)、青のり小さじ2を混ぜてあえるだけです。にんにくやマヨネーズも使っていますが、さっぱりした味にしあがります。子供も大人も喜ぶ味です。

名古屋めし料理家のSwindさんも、ツナ缶を使った「名古屋めし風」の簡単レシピを教えてくれました。「台湾ツナ缶そうめん」は、ノンオイルのツナ缶に焼き肉のタレと食べるラー油を混ぜてのせます。その周囲にネギを散らして、卵黄とネギをのせて完成です。少しピリ辛で大人の味です。

そして「もっと簡単な味変」をソーメン二郎さんが紹介してくれています。オリーブオイルと塩をかけるだけです。

具はありませんが、小麦の風味をより感じることができるということです。また、そうめんの食感を味わうこともできて麺もくっつきにくく、食べやすいレシピです。

■あまった麺でそうめんを“おやつ”や“スイーツ”に

 そうめんが余ってしまった場合に、楽しみ方を変えるレシピもあります。ソーメン二郎さんがおすすめするのは「パリパリそうめんせんべい」と「そうめんのフレンチトースト風」です。

「パリパリそうめんせんべい」は、そうめんに和風だし(顆粒)をまぶして、薄く広げて揚げれば完成です。

「フレンチトースト風」は、そうめん1束に卵2個、牛乳100cc、砂糖大さじ3、片栗粉大さじ3を混ぜて、バターをひいたフライパンで弱火で焼くだけです。

見た目も味も、そうめんをあまり感じることはありません。少しやわらかいフレンチトーストに仕上がります。

そうめんを「和のスイーツ」に変えるレシピもあります。クックパッドで「消費者庁」が紹介しています。

「ビックリ!!そうめんのもっちり団子」は、片栗粉とゆでたそうめんをこねて1口サイズにして、沸騰したお湯に入れて浮き上がってきたら氷水で冷やします。

タレはしょうゆ、砂糖、水、片栗粉、みりんを火にかけて、好みで七味を加えて、もっちりしたみたらし団子の完成です。

2023年8月23日放送