8月が終わり、9月になりましたが、まだまだ暑い日は続いています。この時期は、子供も大人も身体の不調を訴えやすい時期です。専門家に原因と対策を聞きました。

■夏休み明け“子供の異変”に注意

 夏休みが終わって学校が始まると、「朝起きられない」「授業中ぼーっとしてしまう」という子供が多くいます。

原因は「生活リズムの変化」です。夏休みに夜遅くまで起きていたり、エアコンの効いた涼しい部屋にずっといたことが、学校が始まって急に生活リズムが変わり、自律神経が乱れて体調不良に繋がります。

次の10項目(監修:子育て科学アクシス 成田奈緒子代表)のうち、3つ以上該当する子供は注意が必要です。

・立ちくらみやめまいがする
・ずっと立っていると気分が悪くなる
・少し動くだけで動悸や息切れを感じる
・朝なかなか起きらず午前中は元気が出ない
・顔色が青白い
・全身に倦怠感、だるさがある
・食欲がなく何を食べてもおいしくない
・緊張するとトイレに行きたくなる
・しばしば頭痛や腹痛を訴える
・乗り物酔いをしやすい

特に思春期の子供たちに多いのが、自律神経がうまく働かず、血圧が下がったり、心拍数が増えるなどする「起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)」と診断されるケースです。

小学生の5%、中学生の10%が該当するともいわれていて、本人は本当に辛いのに、周囲からは「やる気がない」とみられることも多いようです。

【動画で見る】9月は子供の異変に注意…生活リズムの変化で起こる『起立性調節障害』とは 大人も“残暑バテ”の予防を

小児科医で子育ての問題に取り組んでいる成田奈緒子さんによりますと、夏休みに生活のリズムが崩れた子供に必要なことは、「早寝早起きの徹底」「朝食を必ず食べる」この2つを徹底してほしいとしています。

■丸田佳奈さんに聞いた“残暑バテ”の予防法

 そして、大人も気を付けたいのが「残暑バテ」です。残暑バテとは「夏の暑さや屋内外の寒暖差による自律神経の不調」のことをいいます。

「残暑バテ」を防ぐには、やはり「生活習慣の改善」が重要です。

産婦人科医の丸田佳奈さんが、実際に行っている予防法を聞きました。

まずは睡眠です。十分な睡眠をとることはもちろん大切ですが、丸田さんは「寝室の空気を循環させる」ことが重要としています。冷えすぎないように、直にエアコンの風に当たらないよう、例えば寝室以外のエアコンを使い、ドアを開けて空気を循環させることで冷えを和らげることが大切としています。

直に冷たい風に当たると体が疲れるため、寝室のエアコンを使わざるを得ない場合は、風の向きを変えたり、手足が冷えないように布団をしっかりとかけましょう。

2つ目の予防法は「お風呂で必ず湯舟につかる」ことです。湯船につかると汗をかく練習になるうえ、普段は交感神経が優位で自律神経が疲れているため、副交感神経を優位にすることでリラックスできます。眠る1~2時間前にぬるめのお湯につかるとリラックスでき、ちょうど眠る頃に体温が下がり、良い睡眠がとれるということです。

3つ目の予防法は「運動」です。毎日ジワ~っと汗をかくような有酸素運動を続けることで、自律神経の調子が整って、寒暖差に強くなります。

4つ目は「バランスのよい食事」です。暑い時期は炭水化物に偏り、ビタミンやミネラルが不足がちになるため、肉・魚・野菜を意識して食べることが大切です。食欲を促すために薬味を使うなどして、食べやすくすることがおすすめです。

■残暑バテ対策にオススメ…世界の“疲労回復”メニュー

 世界にはどんな疲労回復グルメがあるのか、愛知県の人気レストランに聞きました。

愛知県刈谷市の韓国料理店「カブ韓」が勧めてくれたのは、鶏肉に米や高麗人参、ナツメなどを詰めて煮込んだ伝統的な薬膳料理「サムゲタン」です。

日本で土用の丑の日にウナギを食べるように、韓国ではサムゲタンを食べる習慣があります。鶏肉にはたんぱく質も多く含まれているため、疲労回復に適しています。

名古屋市名東区のスペイン料理店「ダリ」が勧めてくれたのは、夏限定の色鮮やかな「ガスパチョ」です。

トマトをベースにキュウリ、パプリカ,玉ねぎ、ニンニクなど野菜がたっぷり入った冷たいスープで「飲むサラダ」ともいわれています。お店では9月中は提供を続けるということです。(10月以降は未定)

名古屋市中区のトルコ料理店「ロカンタ・アイハン」のおすすめは「ジャジュック」です。ヨーグルトとキュウリのサラダで、唐辛子とミントがかけられています。日本ではあまりない組み合わせですが、ニンニクも効いていてとても食べやすいです。

また愛知県春日井市では、疲労回復に効果がある食材としてサボテンを勧めています。

春日井市はサボテンの生産量が日本一で、観賞用だけでなく、食べてもおいしいとアピールしています。さわやかな酸味とオクラのようなネバネバ感があり、和洋中いろいろな料理に合うということです。

春日井市では9月25日まで、サボテングルメの「スタンプラリー」が行われています。市内の29店舗が参加していて、3店舗回るごとに抽選で食事券などが当たります。

市役所の“観光・サボテン担当”加茂愛海さんによりますと、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが多く含まれていて、疲労回復に効果的だということです。

29店舗が提供するサボテンメニューには、ラーメンにハンバーグ、ピザにレアチーズケーキまであります。

スタンプラリーや各店舗のメニューの詳細は「春日井市 サボテンスタンプラリー」で検索し、市の公式ホームページで掲載されています。