6歳女の子と散歩中はねられ死んだ愛犬…謝罪に来た91歳男性「お子さんじゃなくてよかった」続く家族の無念
名古屋市緑区の横断歩道で、6歳の女の子と散歩中の犬が車にはねられ死にました。9月14日、車を運転していた91歳の男性が飼い主の家族のもとに謝罪に訪れました。
左手を上げて、飼い犬と一緒に横断歩道を渡る女の子。
次の瞬間、車が突っ込んできます。
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2023年7月、名古屋市緑区平手北の信号交差点で、6歳の女の子と散歩していた飼い犬のポメラニアンが車にはねられました。
女の子にケガはありませんでしたが、車にはねられた愛犬の「朝陽(あさひ)」くんがその後死にました。
事故の後、自宅のケージには、女の子の姉が朝陽くんに宛てた手紙がそっと置かれていました。
<女の子の姉の手紙>
「あさひ、てんごくへ行ってもわすれないよ。さん歩が好きで、くいしんぼうなあさひが大好きだよ」
朝陽くんをはねた車はそのまま立ち去ってしまったため、家族は事故現場に毎日立ち、情報提供を求めてきました。
警察はその後、周囲の防犯カメラなどから、車の運転手を91歳男性と特定しました。事故を申告しなかった道交法違反の疑いで任意で事情を聴き、近く書類送検する方針です。
9月14日、運転手の男性が突然、家族の元を訪ねてきました。
女の子の祖父:
「事故のことも覚えていない?」
男性(91):
「覚えていないです。ぼーっとして運転してね」
男性は、事故当時のことを「覚えていない」と説明しました。
男性(91):
「(車には)自動ブレーキがついているんですわ。物に近づいたら止まる仕組みになっている。結局ワンちゃんが低いから止まらなかったと思う」
女の子の祖父が男性を諭します。
女の子の祖父:
「一歩間違えたら、孫が犠牲になっていたかもしれないんですよ。分かります?」
男性(91):
「(女の子じゃなくて)よかったなと」
女の子の祖父:
「いや、よかったじゃなくて。いつも可愛がっていたワンちゃんが、突然いなくなっちゃったわけですよ。その悲しみって分からないでしょ、あなた?」
事故で愛犬を失い傷ついた家族と、事故を「覚えていない」という男性。事故から1か月半たった今でも、事故現場を1人では歩くことができないという女の子に、男性は「元の笑顔に戻って欲しい」と話しました。
男性(91):
「(女の子が)小学校に入るまでに、なんとか元の笑顔に戻ってほしいなと。ごめんね」
男性の謝罪に、女の子はただ黙って涙を流していました。
男性はその後、運転免許の返納を飼い主家族に約束して、その場を後にしました。
女の子の母親:
「(娘は)『おじいさんも朝陽もかわいそうだった』と言っていました。なんとも言えない気持ちですね。子供に怖い思いをさせて申し訳ないというのは伝わりましたけれども。『お子さんじゃなくてよかったわ』という風でしたけど、こちらとしては家族を失っているので、何もよくないんですよね。朝陽の死は本当に無念です」