人生の最期に向けた準備「終活」について考えるセミナーが、21日に名古屋で開かれました。宇宙葬やサブスクの墓など終活最前線も紹介されています。

 会場は参加者で埋め尽くされ、棺の中で横になって入り心地を事前確認したり、「ゆいごん白書」の考案者・辻瑞恵さんによる、生前の意思を書き残す終活ノートの書き方講座に参加したりしていました。

 他にも、葬儀の仕方や延命治療の希望、それにスマートフォンのデータは消してほしいかなど、60項目にわたるチェックシートを記入して「ゆいごん書」を完成させていました。

 棺選びでは、デニム地に葛飾北斎の波が描かれた、見た目が斬新なタイプや…。

 送り出す人への思いを棺に“寄せ書き”するものもありました。

 共栄の担当者:
「この棺は、直接メッセージを書くことができるように考えられた棺で。実はこの棺を父のお葬式で使いまして、子供たちがおじいちゃんを思う気持ちが、こんなに好きだったんだと気付かされるのもあったし。温かい送りができました」

 会場には12のブースがあり、イマどきの終活が紹介されています。

 お墓選びも多種多様で、石碑と骨壺が一体化したコンパクトなお墓は、グッドデザイン賞も受賞したということです。

浄誓寺の稲森栄政住職:
「中が空洞になっています。この中にお骨を入れさせていただいて、供養させていただく」

 持ち運びもできるため引っ越しの際は一緒に移動でき、契約すれば、提携する全国40の寺院で好きな期間に納骨できます。

 その契約は「サブスク」。38万円ほどの初期費用と月額3300円の支払いで、管理と法要はお任せで、解約後は永代供養してもらえます。

 初期費用だけで200万円ほどかかるという一般的なお墓より格安な上、檀家料やお布施もいらず、人気を集めているということです。

 さらには散骨については、生前「私の骨は海に撒いて」とお願いする人もいますが…。

銀河ステージの担当者:
「『宇宙葬』というものを紹介しております」

 「宇宙葬」では、遺灰を入れた金属カプセルをロケットに搭載し、アメリカの基地から宇宙に打ち上げるというものです。

 最も安いプランは66万円からで、空の彼方から大切な人を見守り続けます。

銀河ステージの担当者:
「GPSが付いていますので、人工衛星がある限りはずっと地球の周りを回り続ける」

 日本人の10人に1人が80歳以上となり、年間約150万人が亡くなる時代。終活の選択肢は多様化しています。