ガソリン価格は高騰が続いていますが、今後どうなるのか。そしてガソリン代を抑える方法について調べました。

■“最高値”が2週連続…ガソリン高騰の背景は

 2023年9月、ガソリンスタンドで価格を示す電光掲示板についての投稿に59000を超える「いいね!」が付き、話題となりました。

長野市で「電光掲示板が大変なことになってる」という画像付きの投稿です。ハイオク価格の「100円」のケタに数字の「2」が紙で貼られていました。レギュラーと軽油の部分から推測する限りでは、「1」しか表示できない状態のようです。

【動画で見る】国が目指す“約175円”はいつになるのか…高値続くレギュラーガソリン 節約できる4つの運転テクニック

反響は大きく「コピー用紙で代用する時代がくるとは…」「紙をはがせばハイオク101円だーー」といったコメントが寄せられました。

レギュラーガソリンの価格は9月4日には1リットルあたり186.5円を記録し、16週連続の値上がりとなりました。また現在の調査方法となった1990年以降では、2週連続で最高値を更新しました。

高騰の要因について、石油情報センターの担当者は「国からの補助金が6月以降段階的に縮小することや、サウジアラビア、ロシアといった原油産出国の自主的減産」「円安による輸入価格の上昇」などを指摘しています。

■国が目指す“1リットル約175円”はいつか

 国は9月7日、石油元売り会社に支給している補助金を増やし、10月中にレギュラーガソリンの1リットルあたりの価格を175円ほどまでの価格抑制を目指しているということです。

価格が下がる流れは国から補助金が支給されたことで、石油元売り会社から小売業者への卸売価格が抑制され、その結果、小売業者は私たち消費者へ安く提供できるという形です。

9月7日から13日の補助金支給額は1リットルあたり17.4円で、前の週に比べて8円ほど高く支給されました。9月13日午後2時に発表されたガソリン価格は184.8円、で前の週に比べて1.7円下がり、4カ月ぶりの値下がりとなりました。

価格の変動が小さい理由について、自動車評論家の国沢光宏さんによると「小売業者は高い時に買ったガソリンが残っているため、売りさばかないと売り値に反映できない」ということです。

国が目標値にしている175円にはいつごろになるのか、石油情報センターの担当者は「10月中旬」とし、自動車評論家の国沢さんは「企業努力もあり、来週(9月18日の週)あたり」と予想していましたが、9月21日に発表された価格は182.0円で、2週続けての値下がりとなりました。

■ガソリンスタンドや飲食店等全国約24000店で“割引”あるSDカードとは

 こうした中、ガソリン代を「いますぐ安く」できる節約術が話題になっています。1つはガソリンが割引になる「セーフドライバーカード」です。頭文字をとってSDカードと呼ばれています。

1年以上、無事故・無違反であることが条件です。自動車安全運転センターに「無事故・無違反証明書」か「運転記録証明書」の発行を申し込むと、証明書と一緒に手元に届きます。手数料は670円かかります。

申請書は、警察署、交番、自動車安全運転センターでもらうことができます。申請は自動車安全運転センターの窓口のほか、専用のアプリ「運転経歴に係る証明書申請アプリ」でもできます。

2022年度は428万枚が発行枚数され、21年度から3万枚増えているということです。持っていると対象の飲食店、衣料品店、旅行、引越しなど全国2万4000店で、最大50%の割引が受けられます。

またマイカーローンの金利優遇もあるうえ、ガソリンの割引も受けられます。現在のところ、東海地方では岐阜18店舗、三重19店舗が対象となっていて、愛知県にはありません。割引金額は店によって異なりますが、約3円です。

■約5カ月分のガソリン代を節約できる“4つの運転テクニック”

 日々の運転で少し気を付けると、ガソリンの節約に繋がるという方法もあります。

2023年8月に総務省が発表したデータによりますと、1世帯あたりの年間ガソリン代は6万8908円で、1カ月あたり約5742円の計算となります。4つのことに気を付けて、約5カ月分が節約できるかもしれないテクニックがあります。

1つめは発進する時「アクセルをふんわり踏む」ことです。最初の5秒間を時速20キロまでに留めると、年間約1万5460円の節約に繋がるということです。

2つめは走行中の「加速や減速を控える」ことです。車間距離をとり一定のスピードで走ることで、年間5418円を節約できる可能性があります。

3つめは、停止時に「早めにアクセルから足を離す」ことです。年間約3346円の差が出ます。

4つめが「アイドリングストップ」です。5秒以上停止する際はストップした方がいいということで、年間約3206円が節約できます。

この4つを実践することで、合わせて2万7430円の節約になる計算です。

■「ありがたや~」コストコのガソリンはなぜ安いのか

 そしてもう1つ話題になっているのが「コストコ」のガソリンスタンドです。SNSでも「ガソリン安いね」「安くて助かるわー」「ありがたや~」といったコメントがたくさん投稿されています。

実際にどれくらい安いのか、コストコの担当者によると、周辺のガソリンスタンドに比べて(1リットルあたり)約10円安くなっているということです。

安くなっている理由をコストコでは4つあげています。1つは「利用は会員のみ」としているためです。会員になるには年会費4840円が必要で、その会費で利益を確保できる分、価格に還元できるということです。

2つめは、支払いを「コストコのプリペイドカード」または「マスターカード」に限定することで、運用コストを抑えていました。

3つめが「独自の仕入れルート」を持っていて、ガソリンはプライベートブランドとしています。

最後が「利益追求していない」ためです。“買い物のついでに給油を”というスタンスで、お客さんが気軽に寄れる価格設定を意識しているということです。