総務省が公表している2021年の「家計調査」では、34歳以下の世帯は、使えるお金のうち貯蓄に回す割合「平均貯蓄率」は39.0%で、世帯全体の34.2%に比べて約5ポイント高くなっています。

 また使えるお金のうち、消費に回す割合「消費性向」も全体の62.8%に対し、34歳以下の世帯は54.7%で、約8ポイント下回っています。

 なぜお金を使わないのか、ニッセイ基礎研究所は大きく2つの理由があると話しています。

 1つは「お金を使えない」ことです。Z世代やミレニアル世代は、バブル崩壊後に生まれた世代で、非正規雇用が増えて収入が伸びにくいうえに、老後2000万円問題など、将来への不安を感じている人が多いといいます。

 もう1つは「コスパ(コストパフォーマンス)やタイパ(タイムパフォーマンス)の追求」です。

【動画で見る】なぜ若者は“買わない”のか…「お金を使えない」と「コスパ&タイパの追求」か レンタルやサブスクを支持

 特にZ世代はネットや情報が溢れる社会で育ち、日々情報を処理することに追われているため、かけるお金と時間に見合う効果が得られるか、合理的に考える傾向にあるといいます。

 レンタルやサブスクに関心が高いことも「買うよりも借りた方が便利なのではないか」と考えているためとみられています。

 今では「ワイシャツ」のサブスクもあります。ワイシャツをレンタルする「ワイクリン」では、1カ月9680円で、毎月20枚のワイシャツが届き、着終えたら送り返すだけで、洗濯もアイロンがけもいりません。月1回送る手間だけです。

 一度頼むと8割の人が継続注文していということです。20代の人の中では自分ではなく、親が頼んでいるケースもあるそうです。

 また「金属バット」のサブスクもあります。金属バットをレンタルする「バッターズボックス」は、1カ月2750円から借りることができ、返品・交換も自由です。

 新品のバットは1本5万円するものもあり、ここ1年で利用者が急増しているということです。