愛知県の大村知事が打ち出した「県民の日学校ホリデー」は、愛知県内の学校が11月の県民の日までの1週間の中で1日学校を休みにする取り組みです。名古屋市は河村市長が反対し、一時は参加を取りやめるとしましたが、結局、11月24日を休みとすると再び方針を変えました。この「県民の日学校ホリデー」に賛成か反対か、名古屋の街で100人に聞きました。

■河村市長「愛知の植民地ですか」…二転三転し混乱招いた名古屋市の対応

 愛知県は2022年で誕生して150年が経ちました。これを記念して11月27日が「あいち県民の日」となりました。

2023年からは、県民の日の前までの1週間、11月21日から27日の間の平日で、それぞれの自治体などが1日を選び休校日にする「県民の日学校ホリデー」が設置されることになりました。

休校日は各市町村で異なります。名古屋市をはじめ、47の市町村は11月24日の金曜日を休みにして4連休となります。一宮市や豊川市などは27日の月曜日、岡崎市やみよし市は学校ごとに休みを決めています。

【動画で見る】賛否100人に聞いた…「名古屋市は愛知県の植民地ですか」河村市長が混乱招いた“県民の日学校ホリデー”

学校ホリデーは県内全域で実施が決まっていましたが、これに異を唱えたのが名古屋市の河村たかし市長です。反発し、9月11日には「名古屋市は愛知の植民地か」という発言もありました。

河村名古屋市長(9月11日):
「親御さんは仕事もやらないかんしという方は出てくる。極めて政治的な主張なんですよ、これ。名古屋市は愛知県の植民地ですか、これ」

河村市長は、平日が休みになると仕事を休めない家庭への負担が増えることなどを理由に挙げましたが、名古屋市は休校日にトワイライトスクールで、最長で午前8時から午後7時まで、子供を受け入れる対策がとられています。

また、名古屋市の幹部も取材に対し「去年12月に市長に報告していた。何を今さら怒っているのと思っている職員もいる」と話しています。

愛知県の大村知事は9月12日に「ちょっとそういうのはよろしくないなと。困惑するのは学校現場や子供たち、ご家庭なので」とコメントしました。

準備は既に進められていて、愛知県では公共施設の臨時開館や割引サービスなど、名古屋市も科学館のプラネタリウム臨時開催や、ノベルティプレゼントの実施などが予定されています。

名古屋市は学校にも通知を済ませていて、市内の小学校では、教員の有休奨励日にも指定されています。

名古屋市は混乱を避けるため、2023年は通知した通り11月24日を休みにしたうえで、県民の日と切り離して「市独自の休校日」とする方向でした。

しかし、一部の市議が「市長が政治権力を使い教育へ介入した」などと批判したことから、9月25日、市教委は11月24日を「県民の日学校ホリデー」として小中学校を休みとする方針を再び示しました。

河村名古屋市長(9月25日):
「信じられん事態で、本当の異常事態ですね。県の言われたことに、唯々諾々と従っていくことを選択されたのは非常に残念ですけど。県の政治介入を認めたわけでしょ、これは」

市教委は、2024年度以降については白紙としています。

■名古屋・栄で100人に聞いた結果は

「県民の日学校ホリデー」について街の人は賛成か反対か、名古屋の栄で100人に聞きました。

男性:
「休みなんて、あったらあっただけいいじゃないですか」

別の男性:
「家族で過ごす時間が増えたらいいんじゃないですか。1つでも良い思い出を作って、楽しいひと時を過ごせたなと思えた方が、子供にとっても良い経験できるだろうし、いいと思いますね」

また別の男性:
「休みが増えた方がええんちゃう?もうちょっと。日本は働き過ぎな感じのところもあるので」

東京に住んでいるという夫婦は…。

東京在住の夫:
「『都民の日』というのがあります。学生さんは休みです。県にちなんだ、いろんなイベントとかが併せて開催されるのであれば、県を愛する気持ちみたいなものも生まれるだろうし。学校では学べない、そういう日の意味を込めて、そういう休日があってもいいのかなと思います」

このように好意的な意見がほとんどでしたが、反対意見もありました。

女性:
「昔と比べたら今は休みが多過ぎると思うので、こんなに休まなくていいと思います。(友人が)『せっかく夏休みが終わってホッとしたのに、また休みだ』と言って。お母さんたちは子供に学校に行ってほしいから」

休みになる高校生の中にも、反対する意見がありました。

女子高校生:
「十分休みはあると思うので、自分は要らないかなと思いました」

別の女子高校生:
「この日が、家族と過ごす時間を大切にという意味だと思うんですけど、医療関係者の人とか休めない人もいるわけじゃないですか。実際の需要はそんなにないんじゃないかなと思います」

友達に会えないという大学生の意見もありました。

女子大学生:
「友達に会いに学校に行っていたというのもあるので、それがちょっとでも減っちゃうというのは反対かなって」

様々な意見がありましたが、100人へのアンケートでは賛成93人・反対7人で、賛成派が圧倒的に多いという結果になりました。