愛知県西尾市の西尾市歴史公園には、江戸時代に西尾藩6万石を治めた西尾城の跡がある。多くの城の天守閣は中心にあるが、西尾城は敷地の角に配置されていた全国的にも珍しい城だ。

 西尾城跡を整備した西尾市歴史公園で、目に入るのが『本丸丑寅櫓(うしとらやぐら)』だ。しゃちほこも乗っていて大きく立派だが、天守閣ではない。

西尾市教育委員会・学芸員の浅岡優さん:
「よく間違えられてしまうこともあるんですけど、天守などの一番大きな建物ではなくて、外を見張るための櫓があるんですけど、その中の一つです」

「城」というと天守閣の建物を思い浮かべがちだが、堀や石垣、塀など、構造物に囲われた敷地すべてを指す。

【動画で見る】地元の人に聞いた愛知県西尾市の"テッパン4選"「cafeLUKE」「西尾城」「八ツ面山のきらら」「ハズニ塩湖」

 天守閣の建物は、今はなく「西尾城天守閣二之丸跡」として残されている。

 西尾城の天守閣には特徴がある。多くの城が天守閣を中心に、本丸、二の丸、三の丸という形で作られているが、この城は天守が角にあるという全国でも珍しい城だ。

浅岡さん:
「ぼくらもまだまだ分からないことだらけです。今でも西尾城の発掘調査を行っているんですけど、そういうことから西尾城の昔の姿を復元している途中でもあります」

「本丸丑寅櫓」は1996年(平成8年)に、「二之丸丑寅櫓」は2020年に復元されたばかりだ。

浅岡さんによると、いずれは天守閣も再建したい考えもあると話している。

2023年7月18日放送