東海3県では“コストコの再販店”が次々とオープンしています。小分けされたコストコの商品を買うことができ、本家より2割程度値段は高く設定されていますが、人気を呼んでいます。

■“小分けで買える”“年会費不要”…コストコ再販店の魅力

 2023年10月27日、愛知県豊川市にオープンした「COCOMART(ココマート)」は、コストコの再販店です。

【動画で見る】小分けで買えて年会費不要…次々オープンする『コストコ再販店』本家より2割ほど高くても人気を呼ぶワケ

コストコは大容量の食品などが定番ですが、この店では小分けで買うことができます。例えば「トリプルチーズタルト」はコストコでは1580円ですが、COCOMARTでは6分の1サイズが357円です。

小分けの容器代や輸送代、人件費などもかかるため、コストコに比べ10%から30%ほど高く値段設定されていますが、飛ぶように売れていました。

コストコの店頭価格で4998円の、1メートル以上ある大きなクマのぬいぐるみは、COCOMARTでは5885円ですが、購入していたお客さんがいました。

来店した男性:
「(コストコがある)常滑まで行くのはちょっと遠いし。このお店ができたことで、コストコの商品が手に入るならと思って」

来店した女性:
「小さい(小分けされている)のがすごくありがたいなと思って」

来店した別の女性:
「会員費がゼロというのはすごくメリットだと思います」

会員制のコストコでは、最も安いタイプでも年会費が5000円ほどかかりますが、このお店は無料。

また、距離があるコストコまで行かなくても買うことができることも、客側のメリットです。

「コストコホールセールジャパン」によりますと、コストコは「卸売業者」にあたるため、再販店が正規のビジネス会員として商品を購入した時点で、購入者に権利が移り、再販は問題ないということです。

再販店についてのコメントは控えていますが、「飲食店など色々な方に弊社の商品を役立ててほしい」と話しています。

COCOMARTでは商品の入荷が追い付かない状況で、ハイエースなどを使い、1日3回入荷し、社長や専務、マネージャーも仕入れに加わっているということです。

開業の相談も数件あり不動産や車の手配、小分けなどの資材や、コストコとのコネクションなど、開店のサポートをしてフランチャイズ化を考えていると話していて、2024年には名古屋や奈良へ出店できないか協議しているといいます。

■“本業”の店も来店客増…ドラッグストアに併設された再販店

 東海地方にはコストコの再販店が複数開業しています。愛知県は豊田市に2店舗、豊川市に1店舗、岐阜県には可児市に、三重県には松阪市に1店舗あります(番組調べ)。

愛知県安城市と岐阜県各務原市にも、オープンするという情報もあります。

豊川市に2023年6月にオープンした「カルコス」は、「カルナ ドラッグストア 小坂井店」の中に開業した店舗です。シャンプーなどが並ぶ、一見普通のドラッグストアですが、店の奥に向かうとカルコスがありました。

食料品をはじめ、およそ700商品が販売されています。

定番商品「マスカルポーネロール」は、コストコでは36個で約900円ですが、「カルコス」では4分の1の9個に小分けされ、300円で販売されています。

ベーコンやサラダをトルティーヤで巻いた「ハイローラー」は、21個入りを3分の1の7個に小分けされ、753円。

キッチンタオルはバラ売りで、トイレットペーパーも6ロールにするなどして、日用品も販売されています。

「カルコス」では、コストコより約2割高く値段を設定されていますが、この日も次々と売れていました。

来店した女性:
「(コストコは)広すぎて見きれない部分も多いし、ここだと個包装でも買える」

一緒に訪れた女性:
「カルコスだと、小分けしているから試してみたいものが買えるとか。若干値段は高いけど、ここから行くと一番近いコストコは浜松なので」

豊川市から一番近いコストコは、車で約1時間かかる静岡県浜松市です。

店長:
「(周辺に)ドラッグストアもすごく沢山できていく中で、ここだと近くにイオンモールができたりとか。うちも今まで通りではなく、新しいものを取り入れて新しいお客さんを呼んで、というところはありました」

2023年5月、ドラッグストアの店内で「期間限定のお試し」で、コストコの商品を再販売してみたところ好評だったため、即、倉庫を改装して6月、常設店としてオープンしたということです。

集客力があがって売上も1.5倍となり、相乗効果を生んでいるということです。

カルコスの店長:
「コストコ再販店があるドラッグストアは、全国的に見てもうちだけだと思いますので。差別化できているんじゃないかなとは思います」

2023年11月3日放送