逮捕前の直撃取材に秘書は…自民党の裏金事件で逮捕された池田佳隆衆院議員 雲隠れに加え“証拠隠滅”もか
自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、池田佳隆衆院議員と政策秘書が逮捕されました。これまで池田容疑者は雲隠れを続け、説明責任を果たすどころか、証拠隠滅を図ろうとしたとみられています。その人物像とは…
自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で初の逮捕者となった、愛知3区が地盤の衆議院議員・池田佳隆容疑者(57)。
政策秘書で会計責任者の柿沼和宏容疑者(45)と共謀し、2022年までの5年間に、派閥からのキックバックおよそ4800万円を収支報告書に記載しなかった疑いで、7日、東京地検特捜部に逮捕されました。
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池田容疑者は、12月から体調不良を理由に国会を欠席するなど「雲隠れ」を続け、公の場での説明を避けてきました。
名古屋市天白区にある事務所の玄関前のホワイトボードには、これまで「留守にします」と書かれていましたが、逮捕後は「しばらく事務所を閉所します」となっていました。
事実関係を確認するため、逮捕前に会計責任者の柿沼容疑者に直撃取材しました。
Q.秘書の柿沼さんですか?一言お願いします。
柿沼容疑者:「…」
Q.なぜキックバックを記載しなかったんですか?
柿沼容疑者:「…」
池田容疑者の逮捕に、地元からは怒りの声が相次いでいます。
20代の地元有権者:
「恥ずかしいというか。全国からの愛知県の印象も悪く見えちゃいますし」
30代の地元有権者:
「市民としては信頼していた方なのに。悔しい思いと、裏切られたという気持ちがあります」
70代の地元有権者:
「せっかく応援していたのにね、すごく残念です。一番やってはいけないことを議員さんが先立ってやることは許されないですよね。刑事罰を受けてほしいと思います」
自民党愛知県連は7日、緊急会見を開き、一連の池田容疑者の対応を厳しく批判しました。
自民党愛知県連の丹羽秀樹会長:
「池田議員につきましては、これまでも姿を見せずに説明されなかったということは、国会議員としてあるまじき行為であると」
その上で、池田容疑者の人物像については…。
自民党愛知県連の須崎幹幹事長:
「お金にも非常に厳しくて、いたって真面目で情熱のある男でありましたけれども、会長が言われるように、今となっては…ということになります」
県連会長の丹羽衆院議員は年末、池田容疑者から“あること”を伝えられたといいます。
自民党愛知県連の丹羽秀樹会長:
「池田議員と最後に連絡をさせていただいたのが、暮れも差し迫った年末に電話がございました。本人からは『色々とご迷惑をおかけしておりまして申し訳ございません。時期が来たらお話をしたい』という話はございました」
関係者によると、逮捕前の特捜部の任意聴取に対して関与を強く否定していたということですが、その池田容疑者が悪質な行為をしていたとみられることが明らかになりました。
12月末、特捜部が池田容疑者の事務所などを家宅捜索する前に、記録媒体のデータが破壊されていたことが判明しました。池田容疑者が証拠隠滅を指示したとみられ、パーティー券の購入リストなどが記載された派閥の資料なども廃棄された疑いがあるということです。
特捜部がこうした対応を「悪質」と判断し、急遽逮捕に踏み切ったとみられています。
“雲隠れ”に“証拠隠滅の疑い”と、国会議員とは思えない対応が次々と明らかになる池田容疑者。かつて自身の著書で、「金の問題」について次のように記していました。
<池田容疑者の著書の内容>
「誰が何と言おうと、カネで人の心は決して買えません。買えていいはずがない。あくまでお金は生きていく上での手段に過ぎません。現在の日本に蔓延している拝金主義は人々の心をこれほど荒んだ状況にさせてしまっています。もはや異常事態といっていいでしょう」
自民党は、7日付けで池田容疑者を除名とする処分を下しています。