元日に能登地方を最大震度7の地震が襲ってから1月8日で1週間です。被災地では7日から雪が続き、厳しい寒さに見舞われています。

 震度7の地震から翌日の1月2日、石川県穴水町は、道路が完全に陥没して乗用車が埋まってしまっていました。陥没だけでなく、土砂崩れで道路は寸断されています。

 1月4日、震度6強を観測した輪島市の「朝市通り」を訪れると、見渡す限り全焼してしまい、跡形もない状態でした。

【動画で見る】輪島・朝市通りの人「復旧したとしても…」能登半島地震から1週間 甚大な被害の現場と避難所に届く支援

 溶けるようにして燃えてしまった車も…。店舗や住宅など約200棟が焼け、現場は焦げくさい匂いが漂い、依然火がくすぶっていたところもありました。

輪島・朝市通りの食堂経営者:
「食堂があって、あったんですけど、見た通り燃えちゃって。朝市の組合員は、露店の方々も高齢化していますから、もう10年後に復旧したとしても、誰も多分戻れる方はいないと思うんですよ。復興はちょっと厳しいんじゃないかな」

 そのすぐ近くで、懸命な捜索活動も行われています。輪島市では、安否不明者の数が日を追うごとに増え続けています。

 震度6強が襲った穴水町の衣服店は、道を寸断するように倒壊してしまいました。

 店を営む小林さんは、今回の震災で父を亡くしました。

小林さん:
「父が亡くなりました。別宅があって、そこも潰れてしまったので。一瞬のうちに…だったみたいです。助けてあげることができなかったので悔しいですね。寒い時間を過ごしていたので、本当にかわいそうで」

 穏やかな時間を過ごすはずだった元日。お酒好きな小林さんの父親は、家族で乾杯をすることを心待ちにしていましたが、すべてを一瞬で奪われました。

 震度5強が襲った金沢市内では6日、「二十歳のつどい」が行われ、約370人が能登半島地震の犠牲者に黙祷を捧げました。

 輪島市や珠洲市など地震の被害が甚大な12の市と町では、予定していた式典が中止となっています。

男性:
「家は結構揺れました。今回(成人式を)開催できたことは嬉しいです」

女性:
「式を開催してくれた主催者さまにお礼を言いたいです。ありがとうございます」

 そして、金沢市ではブルーシートの無料配布が始まり、雨漏りの防止や建物の亀裂を覆うため、次々と受け取りに来る被災者の姿が見られました。

被災者の女性:
「見通しが立たないので、家の修理が。すごくありがたいです」

 被災地は7日から雪が降り続き、景色が一変。

 被災地へ続く道路は雪で覆われ、亀裂などの危険な箇所が分かりづらくなっています。

 七尾市の避難所には、愛知県からの水の支援が続々と届いていました。

常滑市建設部水道課の主任:
「お水というのはどうしても生活に欠かせないものです。皆さん『本当にありがとう』と言ってくださって、皆さんの役に立てて大変嬉しいです」

 海上自衛隊は、入浴の支援を7日から行っています。

海上自衛隊舞鶴警備隊の陸警隊長:
「入浴の水については、航空自衛隊の支援をもらって補給しております。入浴支援班に衛生員も配員されていまして、水質検査等は実施して安全に留意して実施しております。入浴することで、ひと時でも心と体を温めてもらいたいなと思っております」