2023年7月、名古屋市中川区にオープンした「the LAZY HOUSE(ザ・レイジーハウス)」は、「日本一接客態度が悪い」演出で、若者を中心に人気を呼んでいます。

 オーナーの竹原大樹さんは、SNSのマーケティング会社を経営していて、店は調査した上で、計算されて作られていました。

■炎上ギリギリを攻めた店づくり「the LAZY HOUSE」のオーナー 竹原大樹さん:
「ギャップみたいところが人を動かす1つのコンテンツと思っていて、例えば扉の前にいるときはすごく優しいけど、中に入ったら態度が悪いとか、賛否両論あるコンテンツは伸びやすいと思っていた」

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店のテーマは「ギャップ」と「賛否両論」です。店の中と外でギャップを生み出しつつ、炎上ギリギリを攻めているため、店づくりは“テーマ”に徹底して寄せています。

竹原さん:
「ウチのお店に関しては基本的に店員のほうが格上なので『お前らが下で俺らが上』というのは口酸っぱくお客さんに対して言っています」

■お客さんに“際どいあだ名”も…人気YouTuberの来店動画で見えた「ひと工夫」 ただ、接客態度の悪さをウリにするお店は海外にもあるため、もう「ひと工夫」したといいます。

竹原さん:
「オリジナルのものをいろんなところに入れているという感じですね。エンタメ性を強調したりとか、非日常体験の中の1つとして楽しんで頂いているのかなと思っています」

人気YouTuberの「ブチギレ氏原」さんがお店を訪れた動画に、「ひと工夫」が散りばめられていました。例えば入店すると、ブチギレ氏原さんにはあだ名が付けられました。

ブチギレ氏原さん:
「こっから始まるってわけねぇ」

女性スタッフ:
「どうぞ」

ブチギレ氏原さん:
「(入店し)めちゃくちゃ綺麗」

女性スタッフ:
「雑魚チンピラ入りましたー」

ブチギレ氏原さん:
「雑魚チンピラ!?」

竹原さん:
「領収書の名前何?下着泥棒とかでいい?」

ブチギレ氏原さん:
「違います」

誕生日のサプライズ演出は、竹原さんが拡声器を持ち、スタッフが手拍子をしながら…。

竹原さん:
「今日は何の日?」

スタッフ:
「知るわけな~い」

竹原さん:
「誕生日らしい」

スタッフ:
「どうでもいい~」

竹原さん:
「何歳なった?」

スタッフ:
「知りたくな~い」

竹原さん:
「祝ってほしい?」

スタッフ:
「関係な~い」


竹原さん:
「さっさと食べて」

スタッフ:
「か~え~れ」

この「エンタメ要素」で、非日常体験をお客さんに楽しんでもらっています。

■あるのは「やってはいけない」マニュアルだけ…従業員の個性を重視 現在、従業員は10人いますが、マニュアルはないといいます。

竹原さん:
「これをやれというマニュアルはない分、スタッフの個性を出してもらいながらやってもらうことにしています。よくしゃべって悪口を言うスタッフもいれば、基本的に無視とか、従業員それぞれのスタイルに合わせてやってもらっています」

注文で勝手に座ったり、だるそうな態度をとったり…。

暴力や差別的な発言など「やってはいけない」マニュアルはありますが、「これをやって」というマニュアルは作らないことで、従業員の個性が光る「接客態度の悪さ」を発揮させているということです。

お店の“こだわり”はメニューにも行き届いていて、「おそらく今後も縁のないトリュフを使った卵のガレット」(1200円)、「友達が1人もいないお前らの為に用意したマンゴーと生ハムのカプレーゼ」(2人前1800円)などがあります。

お店では、味の評判もとても良いと自負しているということです。また、接客態度の悪さを応用した、脱毛サロンなど新たな展開も考えているそうです。

2023年10月27日放送