過去3度もボヤが…火災起きた火力発電所は“木質ペレット”も燃料に 専門家「発酵して自然発火するケースも」
愛知県武豊町の火力発電所で発生した火災で、消防と警察が1日朝から実況見分に入り、出火原因の特定を進めています。この発電所では、2022年と23年にあわせて3度もボヤ騒ぎが起きていました。
<動画撮影者>
「爆発やばいよ、すごいよ。やばいね…怖い」
31日、愛知県武豊町の「JERA武豊火力発電所」で起きた事故。爆発の瞬間をとらえた映像には、大きな炎が建物の上部にあがり、壁の一部が吹き飛ばされる様子が映されていました。
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火は、ボイラー周辺や燃料を運んでいたベルトコンベヤーに燃え広がりました。
1日朝、警察と消防が実況見分に入りました。周辺には、吹き飛ばされた屋根や壁の一部とみられる残骸が広い範囲に散乱しています。
なぜ、これほど大きな爆発が起きてしまったのでしょうか。
発電所を管理するJERAは31日夜、緊急会見を開き、火元について次のように説明しました。
JERAの執行役員:
「(火元は)外から見た限りは、現状ではバンカーと考えております」
JERAによりますと、火元は火力発電の燃料を一時的に貯蔵する「バンカー」付近とみられていて、そこには石炭とともに燃やす『バイオマス燃料』が入っていたといいます。
バイオマス発電の燃料となるのが「木質ペレット」です。
木質ペレットは間伐材などを原料にしたもので、発生する二酸化炭素を削減できるとされています。
武豊火力発電所は、石炭とこの木質ペレットを使った最新式の発電施設でした。
しかし、2022年に稼働したばかりにもかかわらず、これまでに3度もボヤ騒ぎが発生しています。
近くで勤務する人:
「ちょっと火事が多いかなという気はするかな」
近くで勤務する別の人:
「(火事は)ちょこちょこやっているみたいなんですが、大きいのがきちゃったなという感じはしています」
いずれの事故も、木質ペレットの粉に火がついたことが原因とみられています。木質ペレットについて専門家は…。
エネルギー経済社会研究所の松尾豪代表:
「燃料が木材ですので、生ものということもございまして、自然発酵します。ほったらかしていると、水を含んでいると腐っていってしまう。(腐る過程で)熱を帯びてこの熱が充満してしまって、自然発火するケースもございます」