エスカレーターで「歩かないで」AIで歩行者に呼びかける実証実験「100%私に言っているとわかる」との声も
名古屋市はエスカレーターの安全な利用を呼び掛けるため、1月31日からAIを活用した全国初の実証実験を始めました。
<アナウンス>
「条例違反です。エスカレーターは立ち止まってご利用ください」
歩いている人に立ち止まるよう注意しているのは、AI搭載のセンサーを使ったシステムです。
1列になって列が詰まっていると…。
<アナウンス>
「片側が空いています。2列で立ち止まってご利用ください」
状況に応じてセンサーが反応し、自動で声掛けをしてくれます。
AIで違反者特定し周囲に伝える実験も…「エスカレーターは立ち止まる」が義務に 名古屋で政令市初の条例施行
このセンサーは名古屋市中区の「来栖川電算」が開発しました。
来栖川電算の山口陽平社長:
「AI的な処理をして、違反している利用者にアナウンスして、行動が改善されるか経過観察する」
1台で180mの距離まで、立体的に人の流れを捉えることができます。
歩いていた人が立ち止まったことをAIが検知すると、「ご協力ありがとうございます」とお礼を伝えます。
名古屋市では2023年10月から、エスカレーターを立ち止まって利用することを義務付ける条例が施行されました。罰則はありませんが、周りの目がある中で注意をされるとなると、条例の効果も高まるかもしれません。
70代の利用者:
「あれいいなぁと思って。ああいうことを言っていただくと、歩く人も少なくなるんじゃないかなと思って。なかなか歩く人がいても注意はできませんし」
20代の利用者:
「100%私に言っているなと分かるので、止まったりしようかなと思います」
名古屋市では条例が施行される前、エスカレーターを歩くなどして利用する人が15.6%いたのに対し、条例の施行後は7.3%に減少していて、このセンサーの活用でさらなる効果が期待できます。
名古屋市スポーツ市民局の担当者:
「歩いてはダメなんだということを意識していただけているんじゃないかなと。将来的にはシステムが必要なく、皆さんが両側に並んでご利用いただくことが自然になっていけばいいなと思います」
名古屋市の実証実験は2月28日までで、実用化に向けた検証を行い、2026年の導入を目指すということです。