人気漫画家・鳥山明さん死去 地元の愛知県清須市でも惜しむ声相次ぐ 2025年市制20周年でキャラ制作依頼も
人気漫画「ドラゴンボール」の作者で、愛知県清須市在住の漫画家・鳥山明さんが亡くなりました。68歳での突然の訃報に、地元では惜しむ声が相次いでいます。
世代を超えて人気を集めた「ドラゴンボール」、そして「Dr.スランプ」。
人気漫画を次々と送り出した漫画家・鳥山明さんが3月1日、急性硬膜下血腫のため亡くなりました。
68歳での突然の訃報に、地元・清須市でも…。
30代女性:
「アラレちゃんの元気なキャラクターと、ニコちゃん大王とかいろんなかわいいキャラクターがいるので好きでしたね。どこかで清須市で会えるかなと思っていたので、すごく残念ですね」
18歳男性:
「お父さんが漫画が好きで、お父さんが持っていたドラゴンボールを読んでいました。絵なのに映像を見ているみたいに迫力があって、こんな絵を描けるなんてすごいなと思ったり。すごい漫画だなと幼いながらに思っていました」
清須市は、2025年に市制20周年を迎えるのを前に、鳥山さんにキャラクターの制作を依頼していて、地元ゆかりの織田信長を思わせる可愛らしい武将が描かれたロゴが誕生しました。
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永田純夫清須市長:
「本当にかわいいロゴマークで、先生の思いがこもった作品でございますので、しっかりと大事に使わせていただきたいなと思っています」
清須市立図書館では、鳥山さんの作品を集めた追悼コーナーを設置することを決めました。
清須市立図書館の担当者:
「年齢問わず貸し出しされますので、幅広く愛されている漫画家さんだなと思います。これからも図書館として鳥山先生の作品をきちんと保存して、皆さんに知らせていくという責務があるかなと考えています」
鳥山さんは6年前、図書館の広報誌からインタビューを受けた際、次のような一文を寄せていました。
<鳥山明さん>
「連載マンガが終了してかなりになるのに、今でも楽しんでくれる子供達がいる、というのは本当に幸せです。ありがとう!時々、自分でも何がそんなに受けるんだろう、と不思議な気持ちになりますが」
鳥山さんの生み出したキャラクターは、意外な場所にもあります。名古屋市千種区の東山動植物園のシンボルともいえる「コアラ」のレリーフです。
特徴的な眉毛に丸い目をしたこのレリーフは、40年前の1984年、コアラ舎公開に合わせてお披露目されました。
その11月20日は、「ドラゴンボール」の少年ジャンプでの連載が始まった日でもあります。
女性:
「もう会えないと思ったら悲しいですけど、こうやって後に残る形であったらいいですよね」
別の女性:
「私も子供の時にドラゴンボールをすごく見ていたので、そう言われるとお目目とかもそういう風に見えてきました」
男性:
「これが東山のシンボルみたいだから、そのままずっと残るのはすごくいいですよね」
愛知県の大村知事は11年前、世界コスプレサミットのPRをするため訪れたコスプレーヤーを出迎えるため、自ら「孫悟空」のコスプレで応じていました。
大村知事は「鳥山明さんは日本漫画界の偉大なレジェンドであり、愛知県民の誇りであります。心よりご冥福をお祈りいたします」とコメントしました。
鳥山さんゆかりの場所はほかにも。
名古屋市天白区にある「店麺多房あいうえお」の店内には、鳥山さん直筆のイラストがずらりと並んでいます。
イラストの中には、よく見ると「ドクタースランプ」の則巻千兵衛のようですが、シャツや帽子には店名の「あいうえお」の文字があります。これは、オーナーの永田さんを描いた世界に1枚のイラストです。
オーナーの永田さん:
「あれは、厨房の中で作っている僕をずっと見て、僕を描いてくれたんですよ」
人と話すのがあまり得意ではなかったという鳥山さんは、1人で黙々とパスタを楽しんでいたといいます。
オーナーの永田さん:
「新しい作品が始まると聞いていたものですから、それも期待していたんですけど、本当に惜しい方が亡くなられましたね」
世界中の人たちに作品が愛され続けている鳥山明さん。既に近親者のみで葬儀は行われ、今後、お別れの会などを行うかは未定ということです。