甲子園出られずとも夢は“東京ドーム”…愛工大名電野球部に初の女子選手が誕生「OBイチローさんからヒットを」
高校野球の強豪と知られる名古屋市千種区の愛工大名電高校(愛知工業大学名電高校)の野球部に2024年4月、初めて女子生徒が入部しました。
愛工大名電高校はこの春のセンバツにも出場していて、夏の県大会3連覇中の高校野球の名門です。
4日に行われた入学式で新しい制服に身を包み、家族や友達と笑顔で記念写真を撮影していたのは、新入生の口田美羽(くちだ・みう)さんです。
口田美羽さん:
「すごくドキドキしたんですけど、中学校の友達と同じクラスになれたので少し安心しています。名電は有名なところなので、しっかり私が活躍してどんどん女子野球を広めていけたらなと思います。甲子園全国制覇を目標に、みんなと頑張っていきたいなと思います」
1955年の創部以来初の「女子プレーヤー兼マネージャー」として入部しました。
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口田さんは、3人きょうだいの長女として名古屋で生まれ育ち、野球をしていた弟の影響で小学2年生から軟式野球を始めました。
入学前、名電野球部のマネージャーになりたいと、グラウンドを訪ねていました。
口田さん:
「マネージャーをやりたいと監督に言いに行った時に『野球をやっていたので、その経験を生かしてマネージャーをやりたい』と言ったら『その経験があるなら、選手兼マネージャーとしてやってみないか』と言われたので」
選手兼任での入部となりました。入学初日から部員たちと共にアップをするなど練習がスタート。キャッチボールの相手は倉野光生(くらの・みつお)監督でした。
口田さん:
「すごく緊張しました。しっかり監督の胸に投げられるように、強い球を投げられるようにと意識してやりました」
しかし、ここは高校野球の名門中の名門校です。
山口泰知主将 :
「ここに来た以上、変に甘やかしたり、そういう考えは逆に口田さんに失礼だと思っているので、お互いにいい刺激を与えあって、一緒に成長していけるように頑張っていきたいと思います」
高校野球では、規定で女子の選手は県大会や甲子園に出ることはできません。しかし、倉野監督は口田さんに夢を与えました。
倉野光生監督:
「高校野球の甲子園には出られませんけど、一緒に練習をして、なんだったらイチロー選手が東京ドームで女子野球をやっているから『選手は甲子園、君は東京ドーム』、これもありじゃないかと」
名電野球部のOB・イチローさんが、2023年に女子高校野球の選手と東京ドームで試合を開催。この試合に出場することが今の目標です。
口田さん:
「東京ドームで行われるイチロー選手との試合に出場することを目標に頑張ろうと思っています。イチロー選手からヒットを打つことが夢です」