地下深くでリニア工事…岐阜県瑞浪市の水源に“異変” 井戸の水位低下し溜め池ひび割れる 住人「元に戻して」
リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県瑞浪市で、2024年2月下旬ごろから、井戸やため池などの水位が相次いで低下していることがわかりました。住民からは不安の声があがっています。
岐阜県瑞浪市の、古い町並みが続く旧中山道の宿場町・大湫宿(おおくてじゅく)。
全長およそ286キロのうち、9割近くがトンネルを走る「リニア中央新幹線」のルート上にあるここの水源に、いま異変が起きています。3月中旬、突如井戸に起きた異変に驚いたという町民。
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大湫町民:
「まさかなくなると思っとれへんから、みんなね」
江戸時代からの歴史があるこの井戸水は、かつては風呂や飲み水などの生活用水として使われていたといいます。
大湫町民:
「自然を壊してしまったということやね。もとに戻してほしいというのが一番の気持ち」
井戸水の水位低下です。この井戸だけでなく、地区では共同水源などのため池でも水位が低下しています。なかにはひび割れが入ったため池もあります。
大湫町民:
「乾いてからは、オタマジャクシとかもいなくなったというか、死んじゃって」
この町の地下深くでは、6年前から全長14.5キロの日吉トンネルの建設が本格的に進められています。
JR東海が作った資料では、水位が2月の中旬以降から下がりはじめ、3月半ば以降、急激に下がっています。
JR東海は、今回の水位低下はトンネル工事が原因とみていて、5月13日に住民説明会を開き、かわりの水源を確保するなど住民の生活に影響がないようにしたいとしています。
大湫町民:
「被害が思ったより大きいので、町民としてはちょっと戸惑っている。これから田植えが始まるということで、水がたまらないと田植えができないという深刻な問題がありまして。水がいつ枯れるかという心配はついてまわりますね」
そして14日午後には、町民の代表らが市の職員と地元住民の意見をまとめる会議が開かれました。
会議が終わり、そのまま歩き出す職員たちについて行ってみると…。
大湫町の纐纈富久区長会長:
「枯れた井戸を、市の方に見てもらうために向かっているところです」
枯れた井戸や田んぼに水をひくポンプを視察し、現状を訴えました。
大湫町の纐纈富久区長会長:
「この地元で生活していくためには、今後この水をどう復元していくかということですね」
JR東海は「早急に上水道工事を進め、トンネル掘削との関係を調査して真摯に対応します」とコメントしています。