「義足のスプリンター」の大島健吾選手が、5月25日に神戸市で開かれた世界パラ陸上・男子200m決勝で銀メダルを獲得し、パリで開かれるパラリンピックへの切符を掴みました。

 愛知県瀬戸市出身の大島健吾選手は、生まれた時から左足の足首から先がありませんでした。義足をつけて陸上選手となり、東京パラリンピックのユニバーサルリレーで銅メダルに輝いています。

 そんな大島選手は普段、瀬戸市内の学童保育でアルバイトをしていて、あだ名は「よっちゃん」として子供たちに親しまれています。

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 パリのパラリンピック出場を目指す大島選手は5月20日、兵庫県神戸市で開かれた「世界パラ陸上」の男子100m決勝に出場しました。結果は4位で、神戸まで応援に駆けつけてくれた子供たちの前で代表内定をつかむことが出来ず、悔しさをにじませていました。

大島健吾選手(5月20日):
「パリへの切符の中で、すごいいいチャンスをもらえた大会でとり切れなかった。まあ、頑張ります」

 そして世界パラ陸上・最終日の5月25日、大島選手は、大会を締めくくる義足クラスの200m決勝に出場しました。「2位以内」でパラリンピック代表が内定します。

 決勝レースのスタート大混戦となり、大島選手は23秒13で「3着」でした。パリへの切符を逃したと思いきや、1位でフィニッシュをしたと思われた選手が、レーンをはみ出して走って失格となったため、大島選手は2位に繰り上げで銀メダルとなりました。パリ・パラリンピック代表に内定です。

 大会を終えた27日、大島選手は瀬戸市内の学童保育に姿を見せ、銀メダルを子供たちに披露しました。

学童保育の女の子:
「これ(銀メダル)もらっていい?」

大島選手(5月27日):
「多くの人に応援していただいて声援もいただいて、勇気とかやる気をもらえた大会だったなと思います」

 パリパラリンピックは、8月28日に開幕します。