なくならない“信号無視”による事故 名古屋で進む歩行者守る対策 住民主導の速度規制エリアや路面標示の工夫も
埼玉県熊谷市で6月4日、小学1年の女の子が信号無視の車にはねられ、意識不明となりました。同様の事故を減らすために、名古屋では、学生が多く通るエリアで最高速度を規制するなど、歩行者を守る対策がすすんでいます。
埼玉県熊谷市で4日午後2時半過ぎ、横断歩道を渡っていた小学生の列に軽ワゴン車が突っ込み、小学1年生の女の子がはねられました。女の子は頭などを強く打ち、ドクターヘリで搬送されましたが、意識不明の重体だということです。
近くにいた児童:
「(Q.女の子はどこに並んでいた?)私の前。(友だちが)『車来てるよ』って呼んだんだけど、気付かなくて」
近くにいた児童の保護者:
「迎えに行った時に聞かされました。悲しいですね」
女の子は当時、同級生らと集団下校をしていて、学童に向かうために青信号の横断歩道を渡っていたということです。
警察は、車を運転していた84歳の男を過失運転致傷の現行犯で逮捕しました。警察の調べに対し、「信号が赤だったのはわかっていた。直前で気づいた」と供述しています。
通学路で、横断歩道を青信号で渡っていたにも関わらず起きた事故は、名古屋でもありました。名古屋市瑞穂区で2022年、下校途中の女子児童が横断歩道ではねられ死亡しています。
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事故から2年がたち、現場には横断歩道などの横に緑のラインが入ったほか、『通学路横断』と書かれた路面の標示と標識が設置されました。
瑞穂区の地下鉄桜山駅近くの汐路西地区では、住民が主導して安全対策を始めています。生活道路が多い汐路西地区では、「ゾーン30プラス」という最高速度30キロの規制が、1年半ほど前から行われています。
きっかけは地元からの提案です。周辺の生活道路は、通学で利用する学生が多いため、1年半ほど前から「ゾーン30プラス」のエリアになりました。
近隣住民:
「けっこう抜けていく車両が多いんです。ゾーン30プラスに提案したのは、名市大へ行く学生がいろんな時間帯に歩いているわけなんです」
“狭くなったように見える”路面の標示に加え、ポールを設置して道幅を狭くする対策もすすんでいます。
近隣住民:
「車は気を付けるようになったのではないのかなという気はしますけれど。それなりに効果はあるのではないかなと思っています」
名市大の学生:
「(Q.安全が確保されることについてどう?)ありがたいの一言ですね」
悲しい事故を防ぐため、歩行者を守る対策が今後も進められます。