セクハラ問題で2024年4月に辞職した、岐阜県池田町の前の町長が逮捕されました。辞職の日、「町の名前を傷つけた」と謝罪していた前町長が逮捕された容疑は「入札妨害」です。

岡崎和夫町長(2024年4月当時):
「『あんたは裸の王様や』とはっきり言われました。独りよがり、裸の王様であったのではないかなと、そんな思いを昨晩考えながら思ったところでございます」

 辞職する直前、自身を「裸の王様」と振り返ったかつての町長。21年という長い在任期間が事件に関係したのでしょうか。

 池田町の前の町長、岡崎和夫容疑者、76歳。

 町長だった2022年7月、町の電気工事を巡る指名競争入札で、入札参加業者に対し秘密事項である指名業者の名前を漏らした疑いで11日、逮捕されました。

 警察によると町立温知保育園のエアコン設置工事で、入札には5つの業者が参加していましたが、このうち少なくとも1社に情報を漏らしたとみられるということです。

【動画で見る】セクハラ問題では自身を「裸の王様」と辞職…岐阜県池田町の前町長が入札の秘密事項漏らした疑いで逮捕

 警察は贈収賄の有無については「今後の捜査で明らかにする」と述べるにとどめ、岡崎容疑者の認否も明らかにしていません。

 岡崎容疑者の町長時代といえば…。

岡崎和夫町長(2024年4月当時):
「手を握ったり、二の腕を触ったことは覚えています」

「下半身を触る」「キスをしようと顔を近づける」といったのべ15人の女性職員へのセクハラ行為が第三者委員会の調査で認定され、2024年4月26日付で辞職。

 辞職に伴う町長選が行われ、6月10日に新しい町長が着任したばかりでした。その竹中誉新町長は11日、取材に応じました。

竹中誉新町長:
「ようやく新しい池田町が始まるのかと、大きく皆さんが胸を膨らませたであろうタイミングで、冷や水をかけられたというのが私の率直なイメージなんですけれども。言葉にもならない」

“セクハラ辞職”の前日、町長室の片づけをしていた岡崎容疑者。大量の書類を整理しながら、町長職への未練も語っていました。

岡崎和夫町長(2024年4月当時):
「あと2年半任期があるわけでね、きちっとやりたかったけど、自分のまいた種ですから何ともならん」

 新町長誕生で新たなスタートを切った町に水を差す事件に、町民は…。

池田町民:
「びっくりするだけやな。長いことやり過ぎたというだけのこと」

別の池田町民:
「残念の一言です。新しい町長さんも決まられたので、またいい町に戻していただければいいんじゃないですかね」

 4月の辞職当日には、岡崎容疑者は報道陣に向かって町民への反省の言葉を述べていました。

岡崎和夫町長(2024年4月当時):
「池田町という名前にも傷をつけたことについても、大変申し訳ない気持ちでいっぱいでございます」

 この時、今回の事件のことは頭にあったのか。岐阜県警は11日午後、町役場を家宅捜索しました。入札に関する書類などを押収し、詳しく調べる方針です。