セクハラ問題で辞職した岐阜県池田町の前町長が、町が発注した工事の入札情報を漏らしたとして逮捕された事件で、その業者と前町長の関係が少しずつ分かってきました。

 12日朝、岐阜県警大垣署を出た警察車両に乗せられていたのは、複数の女性職員へのセクハラ行為が発覚し、2024年4月に辞職した池田町の前町長・岡崎和夫容疑者(76)です。

 岡崎容疑者は2022年7月、町立保育園のエアコン10台を設置する指名競争入札をめぐり、業者に対し、入札に参加するほかの業者の名前を漏らした官製談合防止法違反などの疑いがもたれています。

【動画で見る】業者社長とは“蜜月の関係”か…官製談合の疑いで逮捕された池田町長 職員等から聞かれる「ワンマン」の評判

 岡崎容疑者が情報を漏らしたとみられるのは、岐阜県大垣市の電気工事会社です。捜査関係者などによると、入札情報を得たこの業者が工事を1330万円で落札したといいます。

 この業者の社長について、複数の池田町議会議員はこう証言します。

<池田町議会議員>
「(業者の)社長は昔から岡崎町長をすごく応援していた」
「長年の付き合いがあるし、リップサービスしたんだと思うよ」

 長年、蜜月の関係だったという2人。業者の社長が町役場を訪れる姿が何度も目撃されていたといいます。

 さらに、町の職員は池田町の体質について「前町長のワンマンだった」と語ります。

<池田町職員>
「岡崎前町長はいわゆるワンマンですね。全てのことを決めていた。行政あがりで町長の任期も長かったから、町長1人で進めていくことを、職員も『こういうものだ』という認識になってしまっていた」

 岡崎容疑者は元々は池田町の職員で、助役まで務め町の行政を知り尽くしていたといい、町長を20年以上にわたり務めたこともあって、全てのことを1人で決めていたということです。

池田町の関係者:
「ワンマンには当然なりますよね。自分で仕切られるもんでね。ほとんどの町議会議員も自分の方についとるもんで、なかなか反対できないような雰囲気にしてまっとるもんで」

岡崎和夫町長(2024年4月当時):
「独りよがり、裸の王様であったのではないかなと」

 セクハラ問題で辞職する直前、自身を「裸の王様」と振り返った岡崎容疑者。ひとりよがりの行動が、今回の犯行に繋がってしまったのでしょうか。

 警察は、池田町役場や岡崎容疑者の自宅などを家宅捜索しました。岡崎容疑者の認否は明らかにしていませんが、業者に対し落札の最低制限価格を漏らしていた可能性もあるとみて調べています。